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射界
2019年6月3日号 射界
2019年6月17日
天災地変を含めて、どんな危機に遭遇するか分からない現世。ある程度の覚悟はしているが〝当てが外れる〟ことも多い。経験の浅い年代は、どうしてよいか思い至らず慌てるばかり。多少とも経験を積んで浅知恵を動員しても一瞬の安らぎを得るだけ。〝当てが外れ〟て思案投げ首の状態に陥る。
▲修業時代、誰しも経験する試行錯誤だが、そんな経験を積み重ねて少しずつ成長していく。次第にオタオタ感がなくなり、〝これでよし〟と自信を得ながら経験をさらに積む。だが完璧とは言い難く、自分の描いた成果とは裏腹な結果に終わってホゾを噛むこともある。冷静に顧みるとき、自ら描いた構想に酔い痴れて幻想に陥り「希望」を見失っているからだ。
▲「希望」という名の美酒は魅力的で輝かしい存在である。自分は〝大丈夫〟とする自負が冷静さを妨げて幻想化しているのに気付かず、揚げ句の果てに〝当てが外れる〟と周章狼狽に陥る。世間では、このタイプの人を「一事埋没型」というが、程度の違いはあっても失敗を嘆く人に多く見受けられ、共通するのが次善策を用意していない思考の脆弱ではなかろうか。
▲〝当てが外れ〟ても悲観することはない。逆手にとって自らの足らざる点を補うよう努力すればよく、早速にも次善の策を考えることだ。マイナス思考からプラス思考へと転じて幻想に甘んじることなく、自分磨きに励み、一事埋没型からの脱却を計ればよい。先の読めない現世、多少〝当てが外れ〟ても美酒に酔い痴れる余裕はない。次善の策を考えることだ。
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