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ブログ・高橋 久美子
第410回:ひとり対ひとりの勝負
2019年8月5日
AIの進化が加速度的に進めば進むほど、人々の価値観は大きく反対側に振れていきます。「人らしさ」を求める我々の価値観は、間違いなく「人が重視される時代」になるのです。ひと昔前の物質の時代・スペックや機能価値の時代から一変して、これからの時代は、「人の時代・心の時代・フィーリングの時代」に大きく価値観が振れていきます。
商品・サービスも、スペックではなく、「人」で選ぶ時代になります。いえ、実はすでにそうなってきています。
キャバクラや芸能人なら、直接的に「人で選ぶ」という意味がわかります。しかし、運送業で「商品やサービスを人で選ぶ」とは、どういうことでしょうか?
ずばり、経営者である「あなた」が選ばれるということです。
もちろん、直接現場に来るドライバーや営業マンによって選ばれる場合もありますが、小さな会社は社長の価値観や理念が、その会社にダイレクトに影響しています。ですから、最終的にはその商品・サービスを提供している会社の経営者・代表者がどんな人なのか? つまりは、あなたは、どんな人なのか? それが、荷主にとって、あなたの会社と取引する「選択の基準」になるということです。
実は、これは、我々、小規模ビジネスの経営者にとっては、とても有利なことなんです。もしも、あなたの会社の事業規模が小さければ小さいほど有利になります。
だって、考えてみてください。品質や価格などのスペックでの勝負は、言い換えれば効率化の勝負です。効率化で競争すれば、いずれは経営資源量(人・物・金・情報)が潤沢な大企業に勝算があります。我々のように小さな会社は、残念ながら効率化競争に勝ち残る体力がありません。
事業規模によって、とるべき戦略は変わってきますが、スペック勝負では、絶対に大企業に勝つことはできません。
ところが、「人で勝負」だったら、どうでしょうか。社長の人柄、社長の理念、考え方。これなら、一人の「人・対・人」の勝負です。経営資源量の大小には影響されません。「人で勝負する」ということは、品質や効率化、価格など、スペックでの勝負よりも、よっぽどフェアに戦えます。
それでは、「人で選ばれる」ためには、一体、どんな人であるべきでしょうか。次回はトラック20台以下の運送会社が、「人で選ばれる」ポイントについて、詳しく解説していきたいと思います。
この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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