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  • ブログ・高橋 久美子

    第9回:なぜ荷主の要望に応える会社は儲からないのか

    2009年7月15日

     
     
     

     「荷主の要望にはできる限り応えるべきだ」こう聞くと、ちょっとかっこいいですね。このようなことを言うのは大抵まじめで、一所懸命なタイプの社長さんです。しかし、批判の声を恐れずに言えば、こう言う社長さんのほとんどは儲かっていません。


     実は、荷主の要望に応えようとすればするほど、儲からなくなります。とても理不尽なことに思えるかもしれませんが、ぜひ、一緒に考えてみてください。荷主に誠心誠意尽くして、がんばっているのに、あなたの会社が儲かっていないとしたら、もしかしたらあなたも、こんな間違いを犯しているのかもしれません・・・。
     突然ですが、あなたはラーメンが好きですか?
    「急に何を言い出すんだ」と、怒らないでくださいね。運送会社の経営の話と、とても関係のある話です。ご存知のとおりラーメン業界は、かなり競争の激しい業界です。その中で勝ち残っているラーメン店を分析してみると、いくつかの共通点があります。「私語厳禁」「幼児お断り」「スープなくなり次第終了で、営業時間が短い」「コショウ禁止」などなど、このような厳しい注意書きが、店内に貼られているお店に、あなたも行ったことがあると思います。こちらがお客だというのに、食べるためにやたら細かい条件が多いのです。時には、食べ方について、お客にうるさく指図する店主もいます。こんなラーメン店ですが、なぜか行列ができています。
     このようなお店は、決してお客である私たちに、合わせようとはしていません。逆に私たちお客のほうが、寒い日に外で1時間以上も並ぶなど、お店に合わせるわけです。待たされて文句を言うどころか、ありがたがって、喜んで食べるのです。
     さて、話を運送会社に戻します。運送会社のあなたは『運送のプロ』のはずです。プロならば、運送について荷主にアドバイスをするべきです。配送事故につながる可能性があるような、無理な要望に対しては荷主を叱ることも必要です。「荷主に反論するなんて、考えられない」、もしかしたら、そんなふうに思われるかもしれません。でも、ちょっと考えてみてください。
     何でも言うことを聞くのは、ただの「御用聞き」です。「御用聞き」に払えるのは「お駄賃」です。一方、時には叱ってくれるほどの「プロ」に支払うのが「報酬」です。「お駄賃」と「報酬」では、当然、金額が違ってきます。
     あなたが、もし、今まで、一所懸命にお客の要望を聞いて尽くしてきているのに「値下げ交渉をされる」「合い見積もりをとられる」といった悩みを抱えているのなら、「御用聞き」になってしまっている可能性があります。一度、「プロ」として荷主を叱ってみてください。荷主のあなたを見る目が、明らかに今までとは変わってくるはずです。
    全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表 高橋久美子
    http://www.handlecover.com/kaizen/

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    高橋 久美子

    あなたの会社が儲かっていない本当の理由
    規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。

    全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会

     
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