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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(264)個人面談
2019年10月21日
1.不平不満は心のつながりの欠如にあり
物流現場で日夜奮闘しているドライバーの人材育成を、どのようにして進めていくか。A社では、ドライバーの人材育成の進め方について頭を抱えている。
⑴A社の現状
A社は主として、小口貨物の集配業務を行っている。営業所に所属するセールスドライバーは、15人程度である。A社の職場実態はどのようなものか。筆者は社長から、ドライバーの人材育成の進め方について相談を受けている。そこでまず、現場で働く一人ひとりの状況を把握することにした。そのヒアリング結果は次の通りである。
①給料の不満が渦巻いている
「給料が安い」「こんなに働いているのに、やってもやらなくても一緒だ」「うちの給料の支払い方が分からない」…A社のセールスドライバーの1日は長い。朝6時から7時には出社して朝礼、それから積み込みの段取りをして配達に出発。営業所にいったん帰庫して、今後は集荷の段取りをして出発。帰ってきてからは、伝票の整理や作業の手伝いをする。長い1日は夜8時頃に終わる。繁忙期になると夜8時のところが午後11時、時には午前0時を回ることもある。「寝る間もなく、家に帰る間もなく働いているよ」こうした状況で口をついて出てくるのは、給料への不満である。
②配車係、上司への不満が渦巻いている
「こんなに仕事をしているのに、自分達の言い分を聞いてくれない」「早くドライバーの人員を補充してほしいと言っても、なかなか進まない」「自分だけつらい損な仕事ばかりしている。○△君はどうしてあんなに楽な仕事ばかりなのか。自分は上司に嫌われている」…中には月末をもって退職したいと、こぼすドライバーもいる。A社の職場の現状は一口に言って、コミュニケーションが悪いということに突き当たる。上司とドライバーの間の信頼感が薄い。 (つづく)
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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