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ブログ・船井総研ロジ
第40回:地域密着型の「浄化槽維持管理業」
2010年1月26日
地域の水環境を改善・維持するためのビジネスとして、浄化槽維持管理業があります。浄化槽とは下水処理場をコンパクトにしたもので、家庭や企業から排出されるし尿や雑排水(工場排水・雨水など)を処理して公共用の水域へ放流するための設備です。下水道が普及しているエリアは、直接下水道へ排水しますが、下水道が普及していないエリアには、浄化槽を設置して放流しなければいけません。
この浄化槽維持管理業の業務として、大きく分けて浄化槽保守点検業務と浄化槽清掃業務があります。浄化槽保守点検とは、浄化槽使用者に対して排出される水の状態が健全に保たれているかを保守点検することで、年に3~4回程度の実施義務があります。また、浄化槽清掃とは、水処理をする過程で発生した汚泥の固まりを取り除き、設備の清掃をすることで、年に1度以上の清掃義務があります。
この維持管理業の現状として、下水道の普及率の向上(平成8年55%から平成18年69.3%へ向上)により、浄化槽自体が減少傾向にあります。すでに都会では余り見られない状況です。
そのような背景の中、浄化槽が設置されている地域の企業や一般住民のほぼすべてが顧客であること。また、年に数回は定期的に訪問できることなどの強みを生かして、地域に根付いた環境ビジネスを展開する企業が出ております。
例えば、一般家庭に対しては、水回りや太陽光発電等のリフォーム、ハウスクリーニング、不用品回収等の事業です。企業に対しては、管工事や、汚泥処理の削減、省エネ関連などの事業です。
また、お客様ニーズを聞き取とり、他業界で協力を結んでいる企業へ紹介する事例も出てきております。今後は、浄化槽維持管理業として、ますます地域密着型で環境ビジネスの展開を進める企業や、他社と協業してビジネスモデルを強化する企業が出てきます。
(株式会社船井総合研究所・金子裕人)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は08年12月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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本コーナーでは、船井総研ロジ株式会社による リレー連載を掲載します。
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