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ブログ・船井総研ロジ
第47回:省エネ投機のチャンス
2010年3月16日
世界的な景気後退の中、環境ビジネス業界は俄かに騒がしくなって来ています。キーワードは「省エネ」です。
新聞紙面でも報道されましたが、政府は企業の省エネルギー投資の全額を初年度に費用として一括計上し、税負担を軽減できる新たな「即時全額償却制度」をこの夏にも導入すると発表しました。具体的には工場の機械など省エネが見込める設備又は施策に対する投資などについて、取得額の全額を初年度に費用(損金)として課税所得から差し引くという制度です。つまり、投資する年の税負担が軽くなり、減価償却するよりも税負担が軽くなるということです。
景気後退で省エネ事業の見直しを迫られている企業の投資意欲を国が支援する形となります。日本における全企業のエネルギー効率を一段と高め、二酸化炭素の排出量を削減する効果も期待されているようです。
しかし、ここで気をつけなければならないのは、条件としてエネルギー効率を1%以上高めることが挙げられていることです。これは、企業体が大きくなればなるほど難しくなります。そして、本当に効果のある省エネ技術を導入するためには、自社の現在のエネルギー効率をしっかりと把握し、適切な箇所に省エネ技術を導入するといった見極めが必須事項になってきます。安直な省エネ技術の導入は逆に企業として不利益を被りかねません。
そこで、皆さんには今すぐ省エネ技術を導入するのではなく今はしっかりと自社のエネルギー効率を把握していただきたいと思います。そして削減目標をしっかりと構築することです。それから目標にあった省エネ技術を探してください。
この制度の導入は早くても今夏からです。つまり、今はしっかりと自社の状況を確認して来る導入期に備えて準備を怠らずにこの機会を好機と捉え、是非、自社の状況に合った省エネ技術の導入をじっくりと検討してみてはいかがでしょうか。
(株式会社船井総合研究所・大栗正人)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は08年12月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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