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ブログ・高橋 久美子
第53回:一瞬で信用をなくす言葉
2011年3月23日
「うちのモットーは、信用第一です」という言葉は、よく耳にします。ところが、そう言っている人でも「一瞬で信用をなくす一言」を口にしてしまっている場合があります。特にトラック20台以下の運送会社の方が、よくやってしまう「一瞬で信用をなくす一言」について、今日はお話していきたいと思います。
その前に「信用」とは、何でしょう。あなたが「こいつ、信用できないな」と思うのは、どんな時でしょうか?ちょっと思い浮かべてみてください。例えば従業員に「さっき、電話がつながらなかったけど、何してたの?」と聞いたとき、その従業員が「いや、あの、ちょっと・・・」と、モゴモゴしていたらどう思いますか?「おや?何か、言えないことがあるのかな?」と、何か疑ってしまうのではないでしょうか。あるいは奥さんに「今日どこ行ってたの?」と聞いたとき、奥さんが「え?あ、その、ちょっと」なんて慌てていたら、あなたは、何だかとても心配になってしまうかもしれません。
では、奥さんが「今日はね、イオンにユニクロがオープンしたから、春物の洋服を買ってきたの」と『すぐに、はっきり』答えたとしたら、どうですか?あなたは、何も心配に感じませんよね。疑いの気持ちを持たずに済むと思います。
このように質問に対して『すぐに、はっきり答える』というのは、会話の中で信頼関係を作るためには、かなり重要な要素になります。
ところが、とても大切な場面で、大失敗してしまっている運送会社が実に多いのです。少し、ゆっくり説明しますね。例えば、新規荷主を獲得するためにあなたの会社の営業マンが、ある荷主企業に飛び込み訪問したとします。場面を想像してくださいね。荷主担当者が、このように聞きました。「それで、おたくは4㌧1日いくらなの?」。これに対して、あなたの会社の営業マンは、どのように答えますか?もしここで、『すぐに、はっきり』答えているのならOKです。しかし、たいていの場合は、こうです。「いや、あの、走行距離や内容にもよりますので、もっと詳しくお聞きしてからでないと、はっきりした料金はちょっと・・・」どうですか?こんなふうに答えてしまっていませんか?
「でも高橋さん、そんなこと言っても、実際、詳しい内容を聞かないと、ちゃんとした運賃は出せないじゃないですか?」。あなたは、そうおっしゃるかもしれません。もちろんそうですよね。私も、昔はよく飛び込み営業をしていましたので、この場面の心理は本当によくわかります。しかし・・・次回、この話を、もう少し詳しくお話していきますので、それまでに自分のところでは、実際にどんなふうに答えているのか書き出しておいてくださいね。
全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表 高橋久美子
http://www.handlecover.com/kaizen/この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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