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ブログ・高橋 久美子
第209回:増やしたいものは何?
2014年3月10日
私が開催するセミナーの大きな特徴は、参加者同士の名刺交換が活発なことです。セミナー会場内では休憩時間も席に座っている人はほとんどいません。
さて、名刺交換をしている参加者同士の会話を聞いていると、こんな会話を耳にすることがあります。「へー、100台ですか、すごいですね。うちはまだ5台しか持っていないんですよ」。このようにトラックの保有台数が少ない人は、セルフイメージが低い人が多いようです。しかし、私の方からは少し違う現実が見えています。
台数が少ない人は、採算の取れない仕事から撤退し、トラックをたった1台手放しただけでも、翌月から劇的に資金繰りが改善します。一方、広い車庫があり、立派な事務所を構え、トラックをずらりと並べている人は、「ちょっとくらい改革したって焼け石に水だから」と、何も決断できずに動けなくなっています。
特に今の時代はトラックの台数を披露し合ってもあまり意味がありません。例えて言うなら、身長が高いとか低いとか、表面上に見える、その程度の違いでしかありません。
さて、「もっと台数を増やしたい」と思っている人に質問です。今後、あなたはビジネスを通して、何を大きくしていきたいのですか? 経営者のあなたは、人生をかけて、本気でビジネスをしていると思います。あなたのこれからの人生をかけて、いったい何を増やしていきたいのですか? 増やしたいのは、本当にトラックの台数ですか? 従業員の人数ですか? 貯金通帳の残高ですか? あなたの年収ですか? 市場に与える価値ですか? 社員からの信頼ですか? 目標を達成したたびに目玉を入れているだるまの数でしょうか?
多くの社長が創業時には「○年後には△台に増やす!」という目標を掲げます。しかし、本当に台数が増えることが目標でしょうか? あの時は、なんとなく「トラックが多いほうがいいような気がした」だけだったのかもしれません。目標が間違っていると、達成しても幸せになれません。本当に増やしたいものは何なのか? 一度、じっくり考えてみて下さい。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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