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ブログ・馬場 栄
第117回:採用時、入社時に伝えるべき事項
2017年10月19日
前回、服務規律を作成しておくことの重要性をお伝えしました。会社が決めた就業規則や服務規律に合わせられない人は、会社との相性が合わないのかもしれません。そのような方は入社しても、いずれトラブルを起こすか、いづらくなって辞めてしまうことになります。会社にとっても、その人にとっても残念な結果になってしまいます。
採用のミスマッチを防ぐためにも、採用面談のときにルールを伝えることは有効です。「ここは譲れない」という社内ルールは説明しておきましょう。あえて厳しいものを伝えるのも効果的かもしれません。「運転中の携帯電話使用は絶対禁止です。即、懲戒処分です」「髪がちょっと長いね。入社したら、うちが決めた長さに切ってもらうことになるけど、いいですか」などです。
同じ内容を伝えても、共感する人、拒否反応を示す人、共感はしないけど合わせようとする人、反応はさまざまだと思います。この相手の反応も採用基準の一つとしていくとよいでしょう。また、入社時に誓約書という形でルールを示し、相手から「守る」という約束をもらうことも重要です。これは重要だ、守らなくてはいけないと分かり、入社後のトラブルを減らすことができます。
特にお金に関わることは、トラブルになりやすいものです。社員は、「規則は規則、給料は給料。別ものだ」と考えています。社内規定と給料支払いの有無が関係してくる場合は、念のために合意をもらいます。例えば、アルコールチェックに引っかかったら運転禁止というだけでなく、「点呼時にアルコールチェックをしてください。酒気帯びが確認されれば乗車させません。そして、労務の提供はできないのだから欠勤扱いにして『無給』にします。よいですね」というところまで説明して、合意の確認をすることが大切です。
入社時に交わす雇用契約書も上手に利用しましょう。雇用契約書に服務規律を盛り込んでおき、労働条件などとともに会社のルールを説明します。そして、合意の印である署名・捺印をもらって保管しておけば、「ルールを知らなかった」ことから起こるトラブルを避けることが可能となるのです。
(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄) -
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筆者紹介
馬場 栄
保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士
年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。 -
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