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ブログ・高橋 久美子
第329回:中長期の事業戦略を立てる時に必須のデータとは?
2016年6月20日
「あなたの会社で、今すぐ解決したい問題は何ですか?」
中小運送会社の経営者に、この質問を投げかけると、圧倒的に多いのが次の答えです。
「ドライバー不足です」。ひょっとしたら、あなたも同じ答えかもしれません。しかも、数年にわたり、ずっとドライバー不足に悩んでいるという人がとても多いのです。
それもそのはずです。ドライバーの有効求人数は平成21年度から現在まで、ずっと上昇を続けています。現在、平成28年の有効求人倍率は2.33倍(厚労省/一般職業紹介状況調べ)に達しています。つまり求職者1人に対して2〜3社の会社がドライバーを募集している状況です。
ちなみに現在の全業種の平均有効求人倍率は1.07倍ですから、2.33倍という数値は全業種の中でも非常に高いことがわかると思います。全業種の中でドライバーは今、もっともなり手がいない職種と言っても過言ではないのです。
さらに、現ドライバーの年齢構造も大きな問題です。日本の全産業の就職者のうち40代〜50代の中年層の割合は34.1%です。これに対しドライバーの中年層割合は44.3%です。つまり半数近くのドライバーが40代〜50代の中年層なのです。
ここで、あなたにぜひやってほしいことがあります。
【ステップ1】あなたの会社のドライバーの年齢構造はどうなっていますか? 全ドライバーの年齢を書き出す。
【ステップ2】書き出した全員の年齢に「+10歳」する。
さて、この年齢を見てあなたはどんなことを感じるでしょうか。このデータは、あなたが今後の経営戦略を立てるうえで、必須のデータです。多くの経営者は、今後数年の戦略を立てるときに、なぜか今と同じ人員状況をベースに考えてしまいます。多数の従業員がいて中高年層から若年層に健全に入れ替わっている大手企業なら、それでも問題ないのですが、少人数で、しかも中年層が多い会社は、従業員の年齢構造が、今後の事業戦略に大きく影響します。中長期の事業戦略を立てる前には、必ずこのデータを書き出してみて下さい。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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