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物流ニュース
キユーソー流通システム 中国・上海市に独資の新会社設立
2006年12月19日
キユーソー流通システム(KRS、平田章社長、東京都調布市)はこのほど、中国上海市に新会社「上海キユーソー倉庫運輸有限公司(上海丘寿儲運有限公司)」を設立した。
資本金は3億円でKRSのほかに、グループ会社のエスワイプロモーション(八木博社長、東京都江東区)、親会社のキユーピー(鈴木豊社長、同渋谷区)などが出資。
同国交通部から道路運輸業の認可を受け、KRS社長室の杉本健策室長によると「保税区で営業を行う会社を除くと、上海地区では、道路運送会社としては、初の日系独資の企業となる」という。
上海市長寧区に開設した事務所は市街地と国内線中心の上海虹橋国際空港の間に位置し、同市郊外に倉庫を構えた。常温トラック、冷凍トラック、タンクローリーを各5台確保しており、上海市内を中心とした常温・低温保管配送事業と食品原料を運搬するタンクローリー事業を展開する。キユーピーの同国内での物流支援を行うとともに、同国に進出している日系食品メーカーもターゲットに据える。
発展途上段階にある中国物流市場の中で、KRSの持つ「質の高いサービスレベル」を武器に営業を展開する。なお、KRSが日本で展開する3PL事業ではなく、運送業としてのスタートとなる。同国内での業務ノウハウは、キユーピーの中国法人で物流部門を担当していた経験を生かす。
また、丸協運輸(渡部智社長、東大阪市)のグループ会社、張家港丸協運輸貿易有限公司と業務提携を行い、「車両をはじめとする物流機能の相互利用」「人材育成」「同国内における物流ノウハウの共有化」の面で協力する。
同室長によると、「上海市街地は環状高速道路に囲まれており、その内部の幹線道路は渋滞が激しい。また、基本的に混載を行わないため、トラックが、何時間も納品待ちをすることもある」という。
そのため同社は、共同配送のノウハウを同国内に持ち込むことを検討しており、倉庫での保管から納品先への配送までを一手に担うKRSの事業方式を活用する。
また、タンクローリーでの原料輸送について同室長は、「中国は、鉄道や船舶輸送などの大規模輸送は発達しているが、ローリー輸送などは立ち遅れている」と指摘し、「ドラム缶で運んでいるようなレベルのところも少なくない」とも。
同社では、エスワイプロモーションの持つノウハウを生かし、日本国内の水準に近いタンクローリー車を準備。中国の輸送レベル向上を図る。
将来的には、中国の国内物流だけでなく、日中間の国際物流への展開も狙う。「生産拠点が次々と中国に移り今後、中国から日本への貨物が増えることは明らか。今回の進出は将来へ向けた布石であり、まずは、お客様との中国での接点を多く作っていく」と同室長。
来年1月1日から実働を開始し、保有するトラック15台のフル稼働を目指す。売り上げ目標は3年後に6億円。
◎関連リンク→キユーソー流通システム -
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