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物流ニュース
サンコーインダストリー 物流業務を省力化
2007年6月29日
ネジの専門商社であるサンコーインダストリー(奥山泰弘社長、大阪市西区)では、「欠品は絶対にしない」をモットーに35万アイテムの品ぞろえを誇り、業界で圧倒的な地位を築いている。また、ISO14001認証を取得するなど、環境活動も積極的に推進。
その一環として、モリトとマルエムが開発したストレッチフィルムに代わる荷崩れ防止ネット「MMパネット」を導入、環境改善、コスト削減、作業効率化に大いに役立っているという。流通管理部の森田真敏課長と山口幸三課長に、同センターの特徴や環境への取り組みについて聞いた。
同社の物流の中心として稼働しているのが東大阪物流センター(東大阪市)だ。平成元年の完成以来、IT化に努め、長年培ったノウハウと自動倉庫やハンディターミナルなど最新の物流機器を駆使。さらに、ABC分析に基づいて製品を売れ筋順に並べるなどの取り組みにより、午後5時までの受注なら当日出荷するという即納体制を実現し、併せて出荷精度99.999%を追求する。
一般的に、在庫の圧縮やアイテム数の削減などでコストの削減に努める企業が多い中、同社の取り扱い数は年々増加し続け、現在はアイテム数が35万、得意先は3000社で一日当たりの注文は1万アイテム以上という。
「特定のユーザーしか使わない製品もあり、確かに在庫の負担は大きい」と森田課長。しかし、「ウチに頼めば欠品もなく何でもそろう、と思って頂ければ知名度は上がり注文も増える。在庫負担よりメリットの方が多い。ウチのセンターを倉庫代わりに使っていただいて結構」と言いきる。
山口課長も、「通常、メーカーから製品を買って在庫にするが、ウチでは顧客ニーズを吸収して需要を予測し、メーカーにオーダーをかけて作らせて在庫にしている。『サンコーならないものはない』と評価をいただいている」と胸を張る。「今秋には、パレットの自動倉庫も完成する」と、さらなる顧客サービスの向上をめざす。
物流品質に自信を持つ同社では昨年、品質の国際規格であるISO9001認証を取得。今年1月には環境の同14001認証も取得した。同社ではこれまで、荷崩れ防止の梱包資材としてストレッチフィルム(ラップ)を使っていたが、環境ISO取得を機に、「ラップは使い捨てのため、毎回ゴミが出て環境に悪い」(森田課長)との考えから使用を減らそうと決意。代用品を模索していたところ、MMパネットの存在を知ったという。
現在、80枚ほど導入しており、主に倉庫間をトラックで移動する際に使用。「ゴミが出なくなり、資源のムダがなくなった」と、早くも効果を実感している。ラップの購入が半分以上減り、コスト削減にもつながっているというが、この結果を受け、改良型を40枚追加注文した。
さらに、「ラップを巻くのは時間がかかるし、意外と疲れる作業だ。MMパネットは上からネットをかけるだけで、荷物をしっかり固定する。便利で使いやすい」と、作業効率の面でも評価は高い。
同社ではそのほか、車両のアイドリング・ストップやエアコンの温度調節、段ボールのリユース、効率の良い蛍光ランプへの切り換えなど、環境改善に積極的に取り組んでいる。
◇ ◇
「MMパネット」は、強靭な特殊ネットを帽子型に編み込み、パレット積み荷物を上から包み込んで固定するもの。
伸縮性のあるネットが積み荷を包み、走行時の揺れや強い衝撃を受けたときでも荷崩れ・落下を防ぐ。また、強靱なゴムがネットに編み込まれており、荷物をさらに固定。繰り返し長期間使用できるので環境に優しく、コスト削減にもつながる。
「MMパネット」の販売に関する問い合わせは、電話06(6252)3558番(モリト・ファスニング事業部)、技術的な問い合わせは、電話072(330)5782番(マルエム)まで。
URLは、http://www.maruemu-eco.jp/(中野秀一記者)
◎関連リンク→サンコーインダストリー -
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