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物流ニュース
日本化成 アドブルーの生産体制強化
2008年5月2日
高品位尿素水「AdBlue(アドブルー)」の生産メーカーである日本化成(東京都中央区)はこのほど、アドブルーの生産体制を増強。同社無機化学品事業部AdBlueチームの山下力チームリーダーと、総務経理部総務グループの鈴木雄蔵部長代理に話を聞いた。
同社は、小名浜工場(福島県いわき市)、尼崎工場(兵庫県尼崎市)、黒崎工場(福岡県北九州市)の国内3拠点でアドブルーの生産を行っている。このうち、尼崎工場は昨年12月から生産が開始されたばかりで、「ポスト新長期規制の施行をにらみ、さらに関東と中部にも製造拠点を持ちたい」(山下氏)という方針で動いているという。
「より消費地に近いところで生産したほうが当然、物流などのコストも抑えられる。その意味で、需要の多い関東と中部は外せないエリア」という。
現状、3拠点で年間6万2000klの生産能力を持つ。そこから、販売を担う一次店のストックポイント(全国11か所)を経由し、ユーザーに届けられる。一次店は伊藤忠エネクス、日本液炭、三菱化学アグリの3社。1立方mコンテナ、200Lドラム、20Lポリ缶、ローリー車による巡回供給と、荷姿には多くのバリエーションを持たせている。
鈴木氏によると、「(同社が)メーカーとして重視しているのが品質」だという。尿素水の中でも、JISおよびISOで定められた製造基準をクリアしたものだけが「アドブルー」という名称で販売されている。
山下氏は、「メーカーが基準を守って製造していても、使うまでに質が変わっていたら意味がない」とし、一次店とも協力して容器などを工夫している。また、「直射日光を避ける」「高温にさらさない」など、ユーザーに対する正しい保存方法のアナウンスにも注力している。
「安定的に供給できるだけのインフラは構築できている」と同氏。尿素SCR搭載車の普及状況と合わせて、さらに生産・供給体制を充実させていく構え。
しかし、一方で「アドブルーは無害な物質だが、有害性についての質問などもいまだに受ける」。こういった現状を踏まえ、「アドブルーに対する正しい理解を、ユーザーの皆様にさらに広めていきたい」としている。
同社HPは、http://www.nkchemical.co.jp/ -
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