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物流ニュース
<軽油>急増する「売り渋り」、価格に加え量の確保も困難
2008年7月22日
原油価格の高騰に伴い、「売り渋りにあって困っている」との声が各地で上がっている。元売りが軽油の輸出を増大させ、国内の需給がタイト化していることに加え、輸送コスト削減のためローリーの台数を減らしており、月末に集中するインタンクへの給油も難しいといった状況も出てきている。
関東地方の協組理事長は「燃料は今、価格だけの問題ではなく、量の確保も難しい状況になっている」と嘆く。「元売りは『今月は10円値上げします。イヤなら取引しなくて結構』という姿勢だ」と話す。
同理事長は「せめてインタンクに入れる軽油は、原油価格がいつの時のものか教えてほしい。今後の価格の予想がたてられる」と言ったものの、教えてくれないという。
関東地方の事業者は「昨年までなら価格交渉ができたが、今では一方的に価格が提示されるだけ。交渉の余地がない」としている。
別の協組役員は「軽油は、前年度ベースでマイナス10%分の量しか売ってもらえない。また、25日から月末にインタンクに欲しいと言っても、ローリーが足りないので行けないと断られる」と困惑している。
全ト協と日貨協連が行った「軽油の供給状況にかかる緊急実態調査」では、供給制限が「あった」とする回答が約19%、「今後見込まれる」は4%。6月後半の時点で、76%は供給制限の連絡が「ない」としているものの、供給制限があった事業者の「連絡時期」を見ると、4月が94件、5月が142件、6月が257件と毎月急増しており、このまま7月、8月にかけて制限が増加していく可能性も強い。
このような状況下、国交省もト協などを通じて、トラック運送業における燃料価格や資金繰り、売り渋りの状況などの調査をはじめた。6月30日に調査を開始し、18日に調査結果を取りまとめた。以降、毎月1回、調査を実施する。(玉島雅基) -
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