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    経営再生物語(274)人材育成について(2)A社の事例(2)

    2020年1月13日

     
     
     

     順次、活動内容について紹介する。現状把握では、仕事の持ち場に応じて、すなわちホール(お客様係)、花番(調理場からの料理をセットしてホールに渡す係のこと)に分けてチェックシートで行っている。

     

     たとえば、ホールではオーダーミス(13件)を書きちがい(5件)と、書き忘れ(8件)に分けて、曜日ごとにミス件数を集計している。そして、テーブル番号ミスも同じように集計(15件)している。1か月のデータ集計である。

     花番では定食、単品間違いの件数29件を集計している。そして次のようにまとめている。

     「前記の現状把握のごとく花番の定食、単品間違いが多い(29件)。この理由として、定食に新しく増えた単品の売り上げ伝票の書き方が悪いので、調理場がよく間違っていた結果の表れ」

     現状把握を分かりやすくするために、円グラフ、折れ線グラフ、パレート図を活用している。すなわち円グラフではミスの件数を項目ごと(定食単品間違い、テーブル番号ミス、オーダーミス)と、役割ごと(ホールと花番)に表し、折れ線グラフでは花番とホールに分けて、時間別ミス状況が一目で分かるようにしている。

     そして目標設定として花番の定食単品間違い29件を14・5件、ホールのテーブル番号ミス15件を7・5件に、オーダーミス13件を6・5件として50%減を目標としている。そして要因解析として実に詳しい特性要因図を作成している。

     ピックアップされている要因は、ホールでは〝復唱を怠る時がある〟〝伝票確認をしていない〟〝ピーク時の動き方〟である。この要因の一つひとつに問題点を明らかにし、対策案をねって検討、実施している。

     効果の確認として有形の効果では、定食、単品間違い12件、テーブル番号ミス6件、オーダーミス6件と、いずれも目標を達成している。

     無形の効果として、対策後に新人パートが入店して分担交代制で掃除や仕事が出来るようになり、各自が自分の持ち場に責任を持つようになったこと、人手不足がある程度解消され、連係プレーがスムーズに運ぶようになったとしている。

     そして、歯止めとして2点挙げている。①仕事の持ち場(花番、ホール)が違うので、別々にチェックリストを作成する②新人パート、アルバイト用に伝票の書き方のマニュアルを作成した。   (つづく)

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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