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物流ニュース
TKSL柳川社長「川上への事業展開拡大めざす」
2008年9月25日
先月末、三菱化学エンジニアリング(MEC、深尾隆久社長、東京都港区)と物流システム事業に関する企業協力を行うことで合意したトーヨーカネツソリューションズ(TKSL、柳川徹社長、同江東区)。
物流システム構築でトップレベルの実績を誇る同社のマテハンシステム、ソフト技術とMECのロジスティクスコンサルティングや各種シミュレーション技術などを相互に補完し合うことで、高度化する市場ニーズに対応するのが狙いだ。柳川社長は「三菱化学というブランドは大きく、産業分野は多岐にわたり情報量も多い。われわれはある意味で流通・物流の市場に特化しており、今回の企業協力で製造業の生産管理システムなど川上への事業展開拡大をめざしたい」と話す。
柳川徹社長
TKSLは02年10月、トーヨーカネツの物流システム事業部門が戦略的に分社独立。受注生産のため売上高は「山や谷がある」ものの、百%子会社であるケイ・テクノを含めた07年度の連結売上高は152億円をマーク。ソーティングやピッキングを柱に主力製品を流通業界の倉庫・配送センターから生協、空港、郵政など幅広い物流現場に納入している。国内の空港の「手荷物搬送システム」は9割以上が同社のもの。またトラックターミナルは「売り上げの2、3割程度を占める」という。
「トーヨーカネツ時代に米国のラピスタン社と技術提携し、それ以来、コンベヤメーカーとして展開してきた当社は今でも、マテハンメーカー色が濃い。マテハンメーカーとしての『強味』を充実させながら、川上から川下に至るトータルな流れの中で情報系を含めた物流システムを提供していきたい」
05年12月に「HP RFID Noisyラボ・ジャパン」を、日本ヒューレット・パッカードなどアライアンス三社と共同でTKSL千葉事業所(千葉県木更津市)に開設。現在、RFIDを活用した物流ソリューションに積極的に取り組む。電波干渉などで精度が疑問視されていたUHF帯も、「99%の確率で読み取り可能」にした。
「RFIDは確実に日本の物流現場で普及していく」と確信する。「食品メーカーではRFIDを組み込んだ高度な物流管理機能が求められている」。最近はRFIDを利用した「図書返却システム」を試験的に地方図書館に納入、11月に稼働する。
MECだけでなく他企業との提携、アライアンスに積極的で、「将来は協業をベースにM&Aもあり得る」。また、国内中心の営業から「海外にも目を向けていく」という。ラピスタン社はドイツの会社となり、名称も「デマティック社」と変わったが提携は続いており、海外でも大型ハブ空港でのシステム開発、納入実績はあるが、「中国、韓国、東南アジアを中心に国内同様の営業展開を拡大したい。海外本格進出のベースは作っておく必要がある」と考える。(土居忠幸) -
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