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射界
2020年1月27日号 射界
2020年2月10日
年末年始でお酒を口にする機会も多くあった。酒を多く飲める人間を「上戸」という。平安時代には「上戸」という言葉が使われ、「大鏡」では「上戸におわすれば、人々酔わして、遊ばむなどおぼして」とある。「じょうご=ろうと」を使うように、いくらでも酒が入ることからとも言われている。
▲しかし、実際には「ろうと」のことを大酒飲みにたとえて「じょうご」と呼ぶようになったらしい。江戸時代には百姓を上戸、中戸、下戸に分けており、それを飲酒量になぞらえたという説もある。また、祝宴の際、酒を多く飲むものを東の「上の戸」に座らせて、あまり飲まないものを西の「下の戸」近くに座らせたことから「上戸」「下戸」となったともいう。
▲今昔物語の中にも「利徳、明徳という二人の上戸あり」とある。酒は百薬の長ともいうが、「上戸」だからと言って、飲みすぎては薬ではなく、毒になってしまう。日本でも最近は「飲酒」について厳しく規制されるようになったが、まだまだ甘く見ている人間も少なくない。トラックドライバーなら、なおのこと厳しく「酒」と向き合いたいところだ。
▲インドでは「飲酒の罪は来世に及ぶ」と考えている人が多いという。インドのことわざで「酒屋で水を飲んでも、世間は酒と見る」というものがある。悪い場所には近づかない方が身のためという例えだ。いくら上戸といっても、身体からアルコールが抜けるには時間がかかる。運転前は前もって酒を遠ざけるぐらいの慎重さがあってもいいだろう。
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