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ブログ・青木 正一
第83回:やっぱりつらいよ、運賃交渉
2007年4月1日
いまや、値上げは運賃に限らず、タイヤは当然のこと、プラスチックやガラス、ビニールなどの原料にまで広がってきた。原油価格高騰による影響は全産業にまで及ぶ勢いである。物流業界、特に物流企業にとってはまたとない追い風である。
しかし、現場では他の業界に比べ値上げ交渉が進展していないのが実情。原油価格高騰傾向の初期は、物流会社など限られた業界が対象となったが、長期化した現在では多くの業界が対象となっており、また実際、値上げに踏み切っている。
「みんなで渡れば怖くない」とやらの状況ながら、物流業界は大騒ぎしているものの値上げの実態が伴わない。
理由はいくつかある。これだけ多くの物流会社があるために、「他の物流会社に切り換える」との一言を恐れている会社。
また、提案力がないため、パートナーとしてではなく、「業者」となっているため、値上げなど滅相もないという会社。
しかし、他の業界を見ていると気づかされることがある。それは日頃の原価管理やコストダウンに対する改善努力。はっきり言って原価計算をしっかり行って見積もり書を出す会社は少ないし、またそれがお客様に通る業界でもない。
相場運賃を基本に他社との価格競争となっているのが実情である。
しかし、この習慣が及ぼす心理面への影響が大きい。「私どもはこのような原価管理を行っています」「昨年はコストダウンへの取り組みを行い、原価を下げました」と、正々堂々と言い切ることができない「負い目」を持っているため、強く交渉の場につけないのである。
いま、真価が問われている。物流会社としてどんなことを、どれだけ改善しているかが…。この記事へのコメント
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筆者紹介
青木 正一
株式会社日本ロジファクトリー
1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。
主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。 -
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