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ブログ・青木 正一
第123回:人事部で会社の強さがわかる
2008年4月25日
「人事部」は、「人事部=その会社の縮図」とも言えるほどに、会社の実力を反映させている。最もその会社を象徴しているのは、①教育・研修カリキュラム作成までのプロセスと実施期間中のフォロー体制②採用と選考のプロセスである。
①について、「強い」会社は当然、どの対象者にどのようなテーマをあてるか、参加者の選抜について細心の注意を払う。また年功序列や先輩・後輩は関係なく、伸びる可能性のある人材を優先して研修に参加させる。
また、研修参加においても自主性に委ね、「受講したい」と挙手した社員から参加者を集めることができる会社は、さらに「強い」と言える。
そのような会社は、研修を受け持つ外部講師に会社の実情を伝えることにも手抜きがない。できる限りの資料を公開し、必ず事前の現場視察を受け入れるのである。
さらに、研修実施期間中の参加者の反応や成果を、講師にフィードバックすることも忘れてはならない。なお、テーマ決めに時間をかけ過ぎたり、プランニングに細かくなりすぎて、研修レポートやアンケートなどの提出を毎回義務づけたりする会社は、研修の「開催慣れ」をしていて、その研修を「成果に結びつける」という力が弱い場合が多い。
②は応募者の履歴書を誰がチェックするのかがポイントだ。多くの応募があっても、人事部での決定権者が目を通す会社は強い。
そして面接時には「選考する側ではなく、選考されている側でもある」という認識を持っている会社は、しかるべき人材に面接を担当させ、マニュアルにあるチェック項目の採点をするための若手社員などは面接に出してこない。
そのような会社は、「ウチにはこんな優秀な人材がいるんですよ」と理解してもらうべく、他部署であっても営業部のホープが面接を行うこともある。
中にはマネジャークラスの募集に対して優秀なキャリアを持つ応募者がいると、「人事部だけでは手に負えない」と判断し、早い段階で取締役クラスやトップクラスを面接に引きずり出すこともある。
管理系業務といえども、「人事部」が応募者によって臨機応変に対応できる会社は「強い」と言える。 -
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筆者紹介
青木 正一
株式会社日本ロジファクトリー
1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。
主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。 -
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