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    第121回:合意以外の退職

    2017年12月14日

     
     
     

     前回は、社員の退職時には退職届を取り付けることの重要性をお伝えしました。ただ退職届の提出を求めたり、本人への退職承認通知書の通知自体が難しい場合もあります。例えば、ドライバーが急に来なくなってしまったようなケースです。ドライバー自身が「退職します」と言ったわけではありません。会社はドライバーの退職日が確定するまで、在籍する社員として社会保険料を払い続けなければならなくなってしまいます。このように、いつまでも出勤しないドライバーに会社をやめてもらうには、どのような方法があるでしょうか。
     方法は主に二つあります。一つは、自然退職とする方法です。これはドライバーに退職の意思があるかどうかにかかわらず、その要件に該当すれば当然に雇用契約が終了するというものです。要件は就業規則で定めておき、その要件に該当すれば自然退職とするというものです。例えば、理由のいかんを問わず、欠勤開始日から1か月を経過すれば退職とすると定めておくのです。
     もう一つは、懲戒解雇にする方法です。こちらも要件を就業規則に定めておきます。例えば、「無断もしくは正当な理由なく欠勤が連続14暦日に及んだときは解雇する」と規定しておくのです。


     ただし、自然退職とする場合、事前に無断欠勤しているドライバーに対し、出来る限り出勤督促は行っておきましょう。例えば、電話や郵送、身元保証人に連絡等しておきます。もしかしたら「大病で緊急入院していて連絡が取れませんでした。すみません」と言われてしまうかもしれません。その場合、退職扱いにしたことが不当と言われないとも限りません。解雇の場合も同様です。解雇はドライバーの生活に直結しますから、解雇するには「客観的」「合理的」「社会通念上相当」な理由が必要です。それがやむを得ないと認められるだけの客観的な証拠が必要ということです。「正当な理由のない欠勤」と主張するためには、督促をしっかりやったという証拠を残しておくことが大切です。
     その上で、自然退職や懲戒解雇の措置どちらを優先するかというと、自然退職を優先的に適用しましょう。前述したように解雇はドライバーの生活に直結するため、そう簡単にはできません。会社には、解雇する前に社員に改善機会を与える、社員の能力などに応じて教育訓練や配置転換を行う、軽微な懲戒処分にするなど解雇回避努力をすることを求められます。不用意に解雇して、裁判で争われ負けるケースもあります。
     前に就業規則を作成しておくことの重要性をお伝えしましたが、労務トラブルをなくし、経営の安定的な継続を図るためにも雇用契約の終わりまできちんと取り決めておくことが重要なのです。
    (保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    馬場 栄

    保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


    年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

     
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