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  • ブログ・馬場 栄

    第133回:定額残業制を導入するには(1)

    2018年5月24日

     
     
     

     前回は定額残業制の概要についてお話しましたが、今回は定額残業制を導入する上での形式上の注意点をお話します。
     残業代を、あらかじめ固定的な給与として支払う「定額残業制」ですが、導入する場合には、会社の一方的な変更で導入することはできません。定額残業制の導入に伴い時間外割増の単価が変更(減額)となり、社員にとっては不利益な変更になります。そして労働契約法の定めにより、同意のない不利益な労働条件の変更は無効になってしまうからです。
     そのため、労働条件の変更には各社員の個別同意が必要となります。同意は口頭でも可能ですが、後になって言った、言わないの口論になることを避けるためにも、口頭ではなく、書面を結ぶ必要があります。また、定額残業制の導入にあたり、雇用契約書など書面を締結するよう裁判官からも示されており、書面を締結することは定額残業制導入の重要な要件となっています。(裁判官からの導入要件については、次回詳細を話します)


     雇用契約書には、定額残業制を導入し、どの部分が割増賃金に該当するかを記載します。重要なポイントは「○○手当は、時間外割増として支給します。時間外割増○時間相当です。○時間を超えた場合は差額残業代を支給します」と明確に記載することです。併せて、給与規程にも定額残業制を導入する旨の記載が必要となります。
     また、各書式に記載する手当の名称は同一である必要があります。具体的には「給与規程」「雇用契約書」「給与明細書」の三つの書式に同一名称の記載がないと定額残業制を否定される可能性があるのです。例えば、給与規程と雇用契約書には、「定額時間外手当」と記載していたが、給与明細には「基本給」でまとめて支払っている場合などが考えられます。
     定額残業制を導入する場合には、「給与規定」「雇用契約書」に定額残業制導入について記載があるのか、三つの書式に記載されている手当の名称が同一であるかを確認する必要があります。
    (保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    馬場 栄

    保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


    年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

     
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