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  • ブログ・馬場 栄

    第141回:給与変更事例(1)4トン、地場運行車両

    2018年9月13日

     
     
     

     「①コンプライアンス」については大きな問題点があります。現行の給与では残業代が未払いになっています。この会社は「運転手当」で残業代を支給していると主張していたのですが、あくまで1運行あたりの支払い方であり、残業代としての性質があるとは言えず、認められる可能性は低いでしょう。そこで、まず基本給は日額4000円程度に減額します。基本給が高いと残業代単価が、どうしても高くなってしまい、コンプライアンスを守りながらの給与変更が難しくなるからです。そして、残業の対策として定額時間外手当(60時間分)を設定し、残業60時間を超えた時間分の差額を別途支給することとします。
     また、給与変更時の留意点「②経営者の理念・思い」「④公平性・モチベーション」に従い諸手当を見直し、「プロドライバー手当」を新設します。「プロドライバー手当」は「省エネ運転・安全・洗車・日報記入・挨拶など会社が決めた基準」を社長・管理職が評価し、給与に反映する制度で、管理職育成にもつなげていく狙いもあります。


     次に、給与変更時の留意点「③経営合理性」「④公平性・モチベーション」に基づき出来高給設定を行います。この例は、作業量(積み下ろしなど)の多いAルートを月間20運行、作業量の少ないBルートを月間30運行しているとします。そこでそれぞれのルートに見合った単価設定を行います。例えば、Aルート2000円、Bルート800円の単価を設定し(実際の単価設定には半年~1年程度のデータ分析をもとに実施します)、その結果、歩合給は6万4000円となり、また、別途労働基準法所定の計算により、歩合残業給を別途支給します。経営的には稼働が多く収入が多い月は、支払給与額が大きくなり、合理性が増し、ドライバーの意欲(モチベーション)を引き出すこととなります。仕事の負荷、業務量に応じた給与額となり公平性も高まります。なお、最低賃金との関連ですが852円(基本給/所定労働時間数578円)+(歩合給/総労働時間数274円)となり千葉県最低賃金(29年4月)842円を上回ります。
     今回の考え方はあくまでも給与変更の方向性であり、実際の導入の際には社員への丁寧な説明と手続きが必要となります。次回も引き続き給与変更実務を解説していきます。
    (保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    馬場 栄

    保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


    年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

     
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