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ブログ・船井総研ロジ
第7回:ABCプロジェクトの進め方
2007年3月22日
前回のシリーズでは、製造業の方々を対象に『ロジスティクス改善プロジェクトの進め方』をお伝えしました。
今回のシリーズは、その領域を狭め、物流センターや倉庫などで合理化計画を推進する際によく導入される『ABC(Activity Based Costing:活動基準原価計算)分析プロジェクトの進め方』についてお伝えします。
まずは、ABC分析の概要・導入メリット・企業にとってABC分析が必要な理由について説明します。
『会社の活動(=価値変換プロセス)の実態を正確に把握しよう』
私はロジスティクスコンサルタントという仕事柄、製造会社や卸会社、小売会社の物流担当者、そして物流会社の社長などに会う機会が非常に多くあります。
工場や倉庫、物流センターなどの現場を見てみると、作業員が何らかの業務をしており、働いている光景が見られます。
しかし、その作業はどういった価値をもたらしているのか、現場を見ただけでは、正直、判断しかねます。
例えば、品質・作業基準を満たしていないために行われる手直し作業や確認作業・・・、忙しそうに歩きまわっている作業員が実は出荷品を探していただけに過ぎないもの・・・、これらはムダにほかなりません。
つまり、現場を見ただけでは、何がムダで、どのくらいのコストが余計にかかっているのか把握し難いのです。
ではどのようにすれば把握できるのかというと、会社の活動(=価値変換プロセス)において、その活動単位毎にコスト把握をすれば良いということになります。
例えば、「入荷品を検品する」「出庫品をピッキングする」といった活動(アクティビティ)があるとします。
これに必要な労務費などの資源(リソース)を抽出し、そのリソースを利用した量(ドライバー)を時間計測することにより、「入荷検品50円」「出庫ピッキング80円」「手待ち20円」といった具合に、作業毎にコストが明確になり、プロセス上の諸活動にどれくらいコストがかかっているのかが算出され、それを把握することで業務の効率化に繋げるということです。
それが『ABC分析』です。また、ABC分析によって、改善活動や品質向上などに繋げる管理手法を『ABM(Activity Based Management:活動基準原価管理)分析』と呼んでおります。この記事へのコメント
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筆者紹介
船井総研ロジ
本コーナーでは、船井総研ロジ株式会社による リレー連載を掲載します。
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