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ブログ・船井総研ロジ
第1回:食品静脈物流で新たなビジネスチャンスを
2009年3月30日
今週から、本紙「物流ウィークリー」で好評連載中の船井総合研究所・環境ビジネスコンサルティングチームのコンサルタントによる連載の掲載を開始します。ご期待下さい。
07年12月より施行された「改正食品リサイクル法」でリサイクル率の向上が義務付けられました。食品製造業においては現状の81%から85%へ、食品小売業については現状の61%から70%へ、外食産業に至っては現状の21%から40%への改善が必要となります。
食品業界のリサイクル率向上が急務である時流の中、食品業界に携わる物流企業には大きく3つの点において検討しなければならない可能性が高いと言えます。
1つ目は「食品業界内で流通する『モノの量そのもの』が減少する」ということ。廃棄処分している食品関連商品の取り扱いを減らし、リサイクルできないものは使わないという食品企業は今後増えます。配送するモノ自体が減っていくという訳です。
2つ目は「さらなる多頻度小ロット配送へのニーズ拡大」です。食品業界において、必要な時に、必要なモノを、必要なだけ、という意識はさらに拡大し、荷主・配送先共にさらなる配送レベルの向上を求める傾向が高まると言えます。
そして3つ目は「業界内コスト削減の進行」です。高度化する既存荷主からのニーズに対応しながらも、単価アップはなかなか提案できない、という物流業界を取り巻くコスト削減が今後もさらに進むことが想定されます。
このような時流下で既存事業にしがみついていると、『荷主ニーズに対応すれば利益が残らず、対応しなければ競合が入り込み売上が無くなる』という八方塞に突入してしまいます。
この半年〜数か月は物流企業から食品リサイクルに関わる相談を受けることが多いです。これからの食品業界は「出来上がった必要な商品を運ぶ」だけでなく、「必要なくなった商品を回収し、適性に処理(リサイクル)し、商品作りに還元していく」という発想が重要なテーマとなってくるでしょう。
いかに「静脈物流」に着手し、既存荷主、配送先のリサイクル率向上に貢献するか、食品関連物流会社の業績維持・拡大の新たなビジネスチャンスであると感じます。
(株式会社船井総合研究所 環境ビジネスコンサルティンググループ 熊本 伊織)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は08年3月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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本コーナーでは、船井総研ロジ株式会社による リレー連載を掲載します。
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