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ブログ・船井総研ロジ
第18回:ニッチで面白い建築解体工事業界
2009年8月4日
今回は、実は深く環境ビジネスとの関わりを持つ建築解体工事業界についてご紹介いたします。(解体工事業者は約8割が産業廃棄物収集運搬の許可を持っています)
建設投資は平成4年をピークに減少し、現在までこの傾向は続いています。そして、人口減少時代を迎え、これからも続くと思われます。その一方で、高度成長期の構造物が建替え時期を向かえ、解体工事の需要は2025年頃まで増加傾向を期待できます。
約1兆円の市場規模を持ち、これから数十年伸びていく解体マーケットは非常に魅力あるマーケットです。
しかし、コストダウンの要求強化による「受注単価下落」と「産廃処理費の上昇」により、解体業界を取り巻く経営環境が激化しているのも事実です。「過去からの繋がり」、「下請け的に特定企業から仕事を請負う」、「紹介や人脈営業」等の、従来のやり方に固執している企業は、思うように業績は伸びなくなっているのが現状です。
そのような環境下で今、中小解体工事業者が自ら一般住宅の解体工事を直接受注する流れが、小さいながらも確実に見られます。その背景にあるのは、分離発注です。分離発注とはハウスメーカー(住宅販売会社)や工務店と解体から住宅建築までの一括契約をせずに、解体工事は専門の解体業者と直接契約する事を言いますが、直接解体業者との契約になる為、 工事費の節約が可能になります。住宅施工会社は下請けに解体をだして料金を乗せることになるのでどうしても高くなるため、消費者が自ら解体工事業者を探すのです。
この分離発注の流れから、今まで営業や自らアプローチをほとんどしなかった解体工事業界でも価格競争、収益圧迫から少しでも脱却しようと自ら直接受注をしようと方向転換している企業が現れています。そして、このトレンドは今後ますます顕著になっていくでしょう。
引越しの際など、解体工事業者さんとお付き合いされている企業様もあるかと思いますが、このように日本の中で需要が減少傾向にない数少ないマーケットである解体工事業界に着目し、一般住宅の解体を自社のメニューに加えられるのも面白いのではないでしょうか。
(株式会社船井総合研究所 環境ビジネスコンサルティンググループ 槻瀬 潔)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は08年7月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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