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ブログ・船井総研ロジ
第66回:不況で良かった!
2010年7月27日
「不況で良かった」とは、私のご支援先の廃棄物処理業トップが、先日私に言った言葉です。通常は有り得ないことかもしれませんが、考え方を変えれば単純な話でもあり、安定成長を続けてきた同社にとってはこの不況下によって組織が益々成長したのです。
利益意識は勿論のこと、初めての挫折が社内に一体化をもたらし、ともに部署を超えて立ち向かおうとしています。それはトップの意識も同様でして、怖れていながらも手を打ってこなかった反省とともに、次のぶれない目標にもなり得たようでもあります。
廃棄物処理業にとって、初めての挫折ではなかった企業も多数あると思いますが、一方で成長する企業は成長を続けてきた二極化への数年間ではなかったでしょうか。
勝ち組みと負け組みと呼ばれ、単なる処理業からの脱皮モデルも生まれてきた現状でもあります。しかしまだまだ設備産業故に、機械(ハード)嗜好の産業廃棄物処理業も多かったものです。所謂、機械神話であり、近隣の誰にも負けない処理設備がお金を産み出すと信じ、展開を目指し計画を進めてきた時代であったのではないでしょうか。単純に考えれば、産業廃棄物が減っていくことも解りきっていたこで、絶対に無くならないと信じようとしていただけであることは解っていたのでした。
いつの時代も、そしてどんな業態であってもライフサイクルに置き換えれば、総合型大型施設の終焉は迎えられており、そして適正化にも向かっていることは検証できています。
しかしそれを受け入れなかったことが、対処の遅れを作り出しているのではないでしょうか。だからこそ、敢えて教えてくれたこの時代に感謝ということになります。
人は誰しも自分の身に直接降りかからなければ、想定されることであっても後伸ばしにしがちです。重要な緊急でないことであり、その賛同者が少なければ更でもあります。トップでさえそうでしたら、社員になれば危機感を抱き難いものになりがちです。危機感が無いことは直ぐに社内に蔓延していき、自らの立場の保身やセクショナリズムなど内側のつまらないものに発展していきがちでもあります。
不況がこれまでの世界的歴史で繰り返していながら、そしてその不況下で撤退する企業の事例を沢山知りながらも、人は繰り返してしまうのです。これまでの歴史において、文明が滅びたことも外部要因ではなく、内部要因であることは既に周知のことです。それならば、やはりこの不況期の経営においては、この不況を多いに受け入れ、そして好況時の反省とともに次の好況への準備を進めて欲しいと思っております。
社内を一体化させ、そして利益意識をつけさせ、今こそ攻めに転じてください。
船井総研の経営手法のひとつに、「過去オール善」の考えがあります。過去の自分があるから今の自分があるとして、後悔することよりも過去を受け入れて欲しいと思います、それが今のスタートではないでしょうか。
(株式会社船井総合研究所 貴船 隆宣)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は09年07月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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筆者紹介
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本コーナーでは、船井総研ロジ株式会社による リレー連載を掲載します。
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