前回はホームページについてお伝えしましたが、通販物流事業で、ホームページ以外でのＰＵＬＬ型マーケティングとしては、セミナー営業をお勧めしています。今回お伝えするセミナーとは、通販物流会社が主催し、通販会社・ＥＣショップを対象としたセミナーのことです。成果を出すセミナーにするためのポイントは次の三つです。

（１）メーンテーマは通販会社の業績アップセミナーとする
（２）集客力のあるゲスト講師を選定する
（３）セミナーの落としどころを明確にする
　まず（１）ですが、物流コスト削減や物流アウトソーシングをテーマにしても、あまり興味をもたれません。そこで、メーンを業績アップとして集客し、物流に関することはあくまでもサブ講座とします。
　次に（２）ですが、中小物流会社が自社単独で開催しても、集客が難しいことと、通販会社やＥＣショップの業績アップに詳しくないので、ＥＣコンサルタントやネットショップ制作会社など、業界で集客力のあるゲスト講師を配置します。
　そして、セミナーの出口（落としどころ）は一つ、物流診断につなげることです。いきなりの見積もり依頼や問い合わせはハードルが高いので、まずは「無料で物流診断をして、ムダなコストが掛かっていないかチェックします」というオファーをするのです。
　物流診断のメリットとして、荷主企業の現状をつかめ、価格勝負ではなくソリューション提案がしやすくなります。また、荷主と対等以上の関係性が築きやすくなり、その後の提案が受け入れてもらいやすくなります。
　セミナー講座の中で、通販における物流の重要性をしっかりお伝えすることで、かなりの確率で物流診断の依頼があり、受注率も高くなります。セミナー営業は大変だと感じられるかもしれませんが、効果的なマーケティング施策です。
（株式会社船井総合研究所・河内谷庸高）
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は11年7月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。