これからは、人材採用がますます難しくなります。そうすると、入社した人材を定着させ、末長くがんばってもらうようにできない物流企業は生き残れません。
■人材定着化のポイント
　人材定着化のポイントのひとつは、社員を〝クルマ（トラック）好き〟、〝仕事好き〟に育てようとしないことです。それよりも、〝会社好き〟に育てるのです。もちろん、トラックそのものや、運送業務が好きに越したことはありません。ただし、トラックの仕事は、他の運送会社でもできます。しかし、あなたの会社は、一つしかないのです。唯一無二の存在である、自社を好きになってもらえれば、末長くがんばってもらえるでしょう。

■人材定着力アップのステップ
　社員の多くに会社を好きになってもらって、自社の定着力を増すためには、ステップがあります。次に挙げる、三つの企業成長ステップです。
（１）安心できる会社
　まずは、社員自身の将来、自社の将来に対しての不安をできるだけ払拭してあげることです。「この会社にずっと勤めていて、大丈夫だろうか？」と感じてしまう会社では、当然ながら長続きしません。
（２）愉快な会社
　不安が取り除けたら、次は〝楽しい〟と感じられることが重要です。楽しければ、自社に所属していることのメリットを感じられるようになります。よい人間関係があり、成長を感じられ、自主的に動けていれば、人は愉快です。
（３）使命を感じる会社
　最終的には、自社で仕事をする意義を感じられたら、よほどのことがない限り、その社員は辞めません。自身の長所を生かし、お客様の役に立っている、社会の役に立っているという実感が持てれば、人は一生懸命がんばります。
　あなたの会社も、生き残りをかけて、ぜひ進化していただきたいと思います。
（船井総合研究所・橋本直行）
☆船井総研が運営する物流ビジネス情報サイト「http://www.ecologi.net」
※記事は13年11月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。