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ブログ・船井総研ロジ
第275回:ドライバーズハンドブック
2014年11月23日
人材不足がますます深刻化するこれからの時代には、素人(未経験者)を短期間・高確率に一人前のドライバーへ育てられる運送会社にならなければ、生き残りが難しくなってくるでしょう。なぜなら、経験者を採用・育成の主たるターゲットにしていては、パイが小さすぎるからです。
経験者の採用市場は、これからもっと激しい戦いになります。その上、戦いを制しても、経験者にはこれまでの職場のクセが付いていて扱いにくく、辞めやすいというデメリットがあります。ですから、自らプロドライバーをつくれる運送会社にならなければなりません。そのためには、新人教育システムをしっかりつくる必要があります。
入社から独り立ちまでのプロセス(座学、現場研修、横乗りなどのOJT)をかためて、テキストやテストを整備し、講師マニュアルを制作して標準化します。その期間は、各社の方針や業務の特性によって様々だと思います。数日から数週間程度というのが一般的でしょう。
しかし、このような新人教育システムを構築して運用すれば、もうバッチリだというわけではありません。多くの経営トップ・幹部は、そのことを経験的に分かっていると思います。なぜなら、入社当初に習ったことの多くは、すぐに忘れ去られてしまうからです。原因は、習う内容が多く濃いこと。それから、習うときにはまだ業務に従事したことがなく、イメージが付かないことです。
そこで、ぜひ採り入れていただきたいのが、「ドライバーズハンドブック」です。このツールは、新人教育で教わるテキストの内容の中でも、実際の現場で使う実務情報だけを抜き出してまとめた、携帯用の小冊子です。1人1冊、運転席に持ち込むことを想定しています。
例えば、O運送のものには次のような項目が記載されています。
●容積の計算方法
●トラブル時の処理方法
●トラックの内寸・外寸
●現場仕分け表・着店コード表
●専門用語集
●商品別荷扱いマニュアル
●全国リードタイム表
●社内ルール
新人であれば、分からないことが多く発生するのが当たり前ですが、その都度、すべてを聞くことは難しいでしょう。ドライバーは1人でいることが多いし、同じことを何度も聞くのも気が引けます。しかし、このドライバーズハンドブックがあれば、それらを上司や先輩に聞かずとも、自分自身で確認することができるのです。何度も確認することで、新人はストレスなく、スピーディーに一人前になっていくことができます。新人教育テキストとともに、ぜひ作成していただければと思います。
(船井総合研究所・橋本直行)
☆船井総研が運営する物流ビジネス情報サイト「http://www.ecologi.net」
※記事は14年8月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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