Now Loading...
 
  • ブログ・花房 陵

    安全と5Sの実務

    2007年7月6日

     
     
     

    ●安全と5S、いつでもやってるよ
     という人が多いですよね。物流業界では憲法みたいなものですから、誰もがいつでも気に掛けているし、朝礼でも終礼でも、年度始めでも新人への説教もいつも行われているはずです。
     でも時々事故がおきるし、上司から「だらしないぞ!」と叱られること、日常茶飯のことです。安全も5Sも結果が大事で、どんな理由も言い訳も通用しないというのが現場の厳しさですね。
     事故や事件、ミスやトラブルは安全の対岸ですが、どれほど経験しても同じような事故やミスが繰り返されてしまいます。
     原因を追究して、対策を施して、たくさんのエネルギーを使っても、あ~あやっぱり、という事故が再発します。ものすごい長期的な視点で見ても、先輩の事故は後輩がしっかり繰り返すし、忘れた頃に同じような事件が起きるのは、一体なんででしょうかね。
    ●5Sは恥と誇りの対決だ
     昔、南極観測船に乗ってはじめての越冬隊隊長だった西堀栄三郎という人が居ました。隊員に向かって激を飛ばしたわけですが、そのときのエピソードにあるのが「恥知らずを忘れない」というのがあります。
     
     隊員には学者や学生、自衛隊や役人、研究者ばっかりだけでなく、料理人や医者まで雑多な人種が呉越同舟したわけです。船室は狭く、二段ベッドの隅っこに私物や研究器材を置くしかない。貴重な器材や研究書を開きながら数ヶ月の航海を続けてから、南極に向かうわけです。
     狭い船内ではすぐにモノがあふれる、だらしない人がいたら大変な状況になってしまうのは目に見えています。頭も良く、訓練された自衛官や素人が同居するわけですから、命令やルールなんていうのは聞く人次第。
     あれをしろ、これをするな、これはコーする、あーする、・・・・指示命令はきりがなく、かといって統率取るのもイライラが講じるばかり。
     そこで、体長が考えたのは「自ら誇りを持って職務に当たる」ということでした。職場という船の中や基地の中で、どうすれば誇りを維持できるか。
     だらしなくなる気分を抑えて、いつでもどこでもきちんと振舞えるようにするには、誇りと恥、という号令が効果的だったそうです。
     「分かっているけど、やってない」「そんなことより、ほかの事」という言い訳を許さず、しかも自律させるには、職務に誇りを持てという号令だったそうです。
     確かに、周りには時々恥知らずの仲間が居ます。これを糺すには、命令や指示指図ではきりがないです。
     自分の職場、仕事、持分に対して誇りのある姿勢を持たせること、そのことが「見た目に美しい5Sの姿」だったのです。
     船乗りさんはきれい好き、といわれるのは昔からですが、西堀隊長の逸話はケッコウ有名ですから、ご存知なんでしょう。
     恥知らずを排除する 
     相田みつを の書にも、
     きちんとした仕事はきちんとした人が生み出す なんていうのがありました。
     
     叱られてする整理清掃は長続きするわけないですね。
    ●安全を継続させるには
     事故や事件が再発するのは、原因と結果の間に人間が介在するから
    という主張があります
     <失敗知識データベース>というのがあって、およそ世の中の事件や事故をたくさん分析して原因と行動と結果に分析している学問があります。
     畑村先生が失敗学のすすめ、という本も書いていますので、ご存知の人もいるでしょう。
     事故や事件は、どれほど原因対策を施しても、人間の行動がそれぞれなので、再発を予防することはできない、本当は人間行動を予知して先回りの手を打てば再発は防止できる、という理論ですが、理論は理論で実効を伴わないものです。
     原因と行動と結果をすべて承知していれば、予防ができるという学問と事例のデータベースですが、組み合わせが恐ろしく多いので、実際には予防不可能と思えてしまうのは、やる気が足りないのでしょうかね。
     事故や事件を防止するには別の学問があって、欧米では<犯罪機会論>というのがあります。犯罪の行動分析から生まれた理論ですが、人の行動原理を追究しているので、こちらは効果があるような気がします。
     原因はこの場合、犯人の動機になります
     行動は、犯行そのもの
     結果は、犯罪の成立
     悪人は犯罪を起こす機会を探しているから、そのチャンス=機会を潰す
    というのが、犯罪機会論です。犯人の動機を抑えることや犯人を完全に排除することはできなくても、チャンスを潰すこと、チャンスを先送りすることはできるのではないか、という考え方です。
     事故も同じように捉えて見ると、事故が起きる機会を潰すことはできる。
     作業者が未熟で不注意でだらしなくても、何かでバックアップするとか起きないようにさせることができます。
    ■犯罪機会論での再発防止策は
    1)犯行および事件の多発する場面や環境を線引きする=ナワバリにする
    2)相互監視やカメラ、警戒巡回などで動機を抑制させる=誰かがバックアップ
    3)犯行の対象者や作業者に耐性をつける=訓練、意欲、意識、技術
     3つの側面から手を当てておけば、少なくとも失敗を防止できるし、未熟や不注意をカバーできる。
     一声掛けることで事故を防ぐ、という経験は誰もが持っています。このように安全をスローガンにするには3つの側面を知ることが大事だ、と最近勉強してから強く思うようになりました。
     事故は必ず防げるもの、そのためには3つの手当てを忘れないこと、これが大事だと思います。
    ●安全と5Sの診断方法
     どちらも結果ですが、安全や5Sを維持するには空気で分かります。
    見た目や事故の記録ではなく、これを許さないという誇りとチームの感性や雰囲気がとても重要で、これは言葉ではなく、感じで分かります。
     いい店、いい会社、素敵なお宅、いい人、いい先生、・・・・とにかく良い物は感覚で分かりますよね。
     現場の安全や整理状況は、見た瞬間の感覚が何より大事です。
     それはどこに現れるかというと、誇りや手当ての万全さにあるんです。

     
     
     
     
  •  
  •  
  • 筆者紹介

    花房 陵

    イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント
    コンサル経験22年、物流から見た営業や生産、経営までをテーマに 28業種200社以上を経験。業種特有の物流技術を応用して、物流 の進化を進めたい。情報化と国際、生産や営業を越えたハイブリッド 物流がこれからのテーマ。ITと物流が一体となる日まで続けます。

     
  • 「ブログ・花房 陵」の 月別一覧

     
  • ブログ・花房 陵」の新着記事

  • 物流メルマガ

    ご登録受付中 (無料)

    毎週火曜に最新ニュースをお届け!!

    ≫ メルマガ配信先の変更・解除はこちら