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  • ブログ・花房 陵

    コンプライアンス物流

    2008年7月15日

     
     
     

    ■コンプライアンスといいながら、当社に犯罪や事件は杞憂と見逃していることが
    ありませんか。法令遵守の基本は、六法全書だけではありません。企業間取引に使
    われる慣習法や契約書、見積や発注書などのいわゆる私的契約や口頭契約だって守
    るべき重要なルールですよね。
    ●物流委託契約の不備
    物流活動に使われている契約は、かつて規制業種だった名残で運輸と倉庫には、標準約款(ヒョウジュンヤッカン)というひな形が事務所に掲出されています。お気づきになった方はいると思いますが、詳しく読まれた方はとても少ないはずです。
    これは「規制緩和」前の運輸と倉庫に業法として定められた、いわば業界を守るための法律にセットになっていた契約書です。ですから、立ち位置は業者になっていて、料金の定め方、支払い方、支払い停止となったときの権利の行使、などなど、不平等契約ともいえるような内容になっています。利用者側の権利項目がとても少ないという意味での不平等です。
    肝心の業務開始や業務終了についての、検収確認方法や請求書の仕立て方についてはほとんど触れていません。契約書は、双方にとっての責任の開始と終了、業務の評価となる検収と確認方法を述べた後に、精算と支払い、受領、万が一の停止の際の権利と義務について述べられなければなりません。
    およそ輸送では、輸送送り状と荷渡しが開始であって、到着引渡が終了です。同じように倉庫でも、受渡の立会や荷札の作成という証憑作成が開始と終了を記録づけるものです。
    ところが、これらの運輸、倉庫の想定していた業務範囲は、「規制業種」であった名残ですから、現在の物流事業とは似ても似つかない内容となっています。
    物流業務の開始と終了は、厳密に区分できるほどのことはむしろ少なく、普通見られるように「一連の活動」などと表現するしか方法がなくなります。
    書かれていればまだしも、現在目にするような物流委託契約書には、肝心の業務定義や開始~終了~検収のステップが明記されていることはほとんどありません。
    ●契約は検収で精算する
    物流活動には輸送も保管、作業もすべてにわたってITシステムによる伝票やデータ指示が付き物です。業務契約も従って、文書説明だけでなく業務フローチャートやシステムフロー図で補完していることが多いわけですが、業務終了とそのことを報告する検収について触れている契約書がとても少ないことに気がかりです。
    契約は検収という、双方確認の行為があって精算につながるべきものですが、請求書を送付して精算するというのは、ヒョウジュンヤッカンの名残に過ぎません。
    請求書の明細があればよいというわけでもなく、たとえば輸送の送り状すべての控えが請求書に付けられても、精査できないし、突き合わせもできません。
    日々、もしくは翌日の配送報告を検収基礎にしなければ事実上検収作業は不可能です。
    保管、作業の検収も月末にまとめて点検などできませんから、月次での業務報告書には、処理物量の記載がなければならないはずですが、月次報告を行うこともむしろ珍しいように感じています。
    ●コンプライアンスのねらいは
    決められたルールを守ろうね、ましてや法律は何より大切だから、などというスローガンを掲出することがコンプラではありません。違反のないことの証明を求められたときに、すぐさま現状の業務プロセスと相互牽制、内部チェックの実態を説明できる、いわばアリバイの制度を持つことが目的です。
    私的契約や社内のルールをこのような考え方で、常に証明できる、説明できる、必要な証拠を直ちに提出できる体制、これが今話題の内部統制の基本なのです。
    内部統制ドットコム というような、話題のホームページもできているようですが内部統制そのものが珍しいものではなく、今までだってどんな企業にもあったリスク回避の方法論であったことを思えば、現在の風潮はアリバイの即時提出、ということが求められているのでしょう。
    物流業務を受託、委託、事業として行う場合には契約書が欠かせません。検収項目を明示しないで、「付随する作業、一連の作業」などと表記した途端にコンプラは消滅しています。明らかな不備、不適な契約と言わざるを得ません。
    コンプライアンスを宣言した企業さんや、話題の内部統制に注目している企業さんでは、この契約の見方、コントラクトマネジメントの初歩から振り返ることが大切なんですね

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    花房 陵

    イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント
    コンサル経験22年、物流から見た営業や生産、経営までをテーマに 28業種200社以上を経験。業種特有の物流技術を応用して、物流 の進化を進めたい。情報化と国際、生産や営業を越えたハイブリッド 物流がこれからのテーマ。ITと物流が一体となる日まで続けます。

     
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