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ブログ・高橋 久美子
第441回:自分でコントロールできること
2020年4月13日
中国から原料が仕入れられないことで、世界中のメーカー企業の生産ラインが次々に止まっています。今回のウイルス感染拡大の影響で、中国が全世界の経済に、どれだけ大きな影響力を持っていたのかが明らかになるとは、なんだか皮肉なものです。
今回、いち早く中国からの入国のみならず日本からの入国も禁止した「ニウエ」という国があるのをご存じでしょうか。
私は昨年の6月に、この国を訪れています。人口がわずか1600人。ニュージーランドから飛行機で3時間ほどの場所にある、国の全周わずか60㌔という小さな島国です。ここでは、生活用品のほどんどが、木やバナナの皮で作られていて、自給自足生活を基本としています。
今回のようなケースでは、しがらみがなく、自給自足ができる国は強いですね。
一方、カンボジアのように、国内の大きなプロジェクトが中国マネーで動いている状態では、自分の国なのに、中国のお伺いを立てないと何も決められません。(私は実際に昨年末に、カンボジア現地に視察に訪れています。カンボジアの都心部のみならず地方農村部の大部分が、中国マネーで異常な高騰をしていました)
自国の有事にも、誰かにお伺いと立てないと決定することができない…経営も、同じかもしれません。他に頼るところが大きいと、自社だけで瞬時に正しい決断をすることができなくなります。ただでさえ運送業は外的要因に依る部分が多い業種ですが、それでも、いざという時の行動指針は、自社でコントロールできる体制を整えておきたいですね。
私の知人で飲食店の経営者がいます。
今回の新型肺炎感染の影響を、どんなふうに受けているかというと、実は、利益率が上がったと言って喜んでいました。先月の半ばには「感染拡大」のシナリオを想定し、メニューの8割を中止して、Uberでのデリバリー路線に切り替えたそうです。
今月からは店舗営業は休止し、ホールアルバイトも出店なし。調理も1人で済むようになりました。仕入れの種類も少なくなり、売れ残りや廃棄も減りました。
元々、自宅を店舗にしていたこともありますが、全国の大多数の飲食店が大きく売り上げを落としている中、このように「だったら、どうする?」と、思考を転換することで、逆に利益を上げているところもあるのです。
「何が起こるか」は、コントロールできませんが、その出来事をきっかけに、自分の人生を、どんなシナリオを描くのかは、自分自身でコントロールできます。あなたは、今回の出来事をきっかけに、どんなシナリオを描きますか?
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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