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  • ブログ・高橋 久美子

    第413回:商品説明は書かれていない

    2019年9月2日

     
     
     

     社長が誰かなんて、興味がなかった物質時代は、私たちはスペックだけを購入基準にしていました。

     

     しかし、少しずつ「人で選ぶ時代」にシフトしてきているのです。孫正義、スティーブ・ジョブズなど、今、多くの「経営者本」が存在します。

     これらの本に共通するのは「決して、商品説明は書かれていない」ということです。どの本にも、その人の生き方、在り方、考え方や、その人の人生が著されています。このことからも、「スペックではなく、人の時代」に、明らかにシフトしていることがわかります。

     市場に出る商品・サービスが一定以上の品質を保っていることが大前提になった今、中小企業が提供する商品・サービスの差異は微々たるものです。ましてや運送業の「配送」の違いは、荷主にとって認知しにくいです。

     そんな時代に、私たち消費者の興味の対象は、「どんな商品・サービス?」ではなく、「社長のあなたは、どんな人?」にシフトしていきました。

     あなたの会社を「人」で選んでくれた取引先は、ちょっとやそっとでは浮気をしません。運賃交渉もしやすいです。

     「うちのほうが、運賃安いですよ!」と言われても、「いや、あそこの社長が好きなんですよ」と答えられたとしたら…もう、勝負にもなりません。つまり、ライバルたちと張り合う必要すらないというわけです。「好きになってもらって選ばれる」これほど最強のことはありません。

     タイで不動産業を営む友人に、こんな話を聞いたことがあります。

     「僕のことが好きなお客さんにしか物件を売りたくないんですよ」。理由を尋ねると、こんなふうに答えてくれました。「タイでは、どうしても日本みたいに、なんでもキッチリいかなくて、ちょっと期日が遅れたり、コンセントの枠がちょっとズレていたり、そんなことが日常茶飯事なんですね。そんな時でも、僕のことを好きなお客さんだったら、『日本みたいに行かないよねー』って、ある程度余裕を持ってみてくれるんです。でも、僕のことが好きじゃないお客さんは『どうなってるんだ!』っていちいちうるさくて、対応しきれないですよ」

     当然ですが、誰でもやっぱり好きな人と取引したいです。私たちは何かを決断するときは「感情」で決定し、後から「理論づける」と言われています。感情的に好きな人と付き合いたい。人として当然の心理です。

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    高橋 久美子

    あなたの会社が儲かっていない本当の理由
    規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。

    全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会

     
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