よく考えてみてください。あなたの会社は、「ダメな会社」ですか？違いますよね。少なくとも「物流ウィークリー」を購読し、私の連載コーナーを毎週しっかり読んでくれているあなたは、自分の会社の経営に役立つ情報を必死で探そうとしている、真剣な経営者のはずです。

　その、真剣なあなたの会社ですから、おそらく、従業員教育にも気を遣い、荷主へは礼儀正しく誠意ある対応をし、車両メンテナンスの徹底や、事故防止など、あらゆる事に気を配り、誠実に、輸送業務を行っている会社だと思うのです。ひょっとすると、「あっちの会社より、うちの方が、よっぽどドライバーの質だっていいのに、なんで荷主は、あんな会社と取引をしてるんだろう？しかも、あんな運賃で・・・」と、思うこともあるのではないでしょうか。
　「あの運送会社と取引するより、うちに頼んでくれたほうが、よっぽど得なのに！」と、歯ぎしりしたくなる事もあるほど、あなたの会社は「いい運送会社」ですよね。なのに、あなたの会社が選ばれないなんて、おかしいと思いませんか？
　あなたの会社が荷主企業に選ばれていないのには、いろいろな理由があります。いろいろありますが、たいていの場合、その一番の理由は、あなたの会社が、いい会社だということを多くの荷主企業は「知らない」という事です。あなたと取引すると「得だ」ということを、多くの荷主企業は「知らない」のです。
　すごく当たり前の事なのですが、いくら、あなたの会社が「いい会社」だとしても、それを、荷主企業に知らせていなければ、荷主企業は、あなたの会社と取引することができません。おそらく、あなたの会社が、今、儲かっていないのだとしたら、その、本当の理由は、すごく簡単なことなのかもしれません。
　会社そのものに、ダメなところがある、というわけではなく、「多くの荷主企業は、あなたの会社を知らない」というところに、あるのではないでしょうか。ですから、あなたの会社と取引する可能性がある、より多くの企業に、「あなたの会社がいい会社だ」ということを、まずは、伝える必要があるのです。
全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表　高橋久美子
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