先週はセールスレターを出す相手を「誰に」するのか明確に決めることが重要だというお話をしました。あなたは「誰に」セールスレターを書くか決まりましたか？もしかしたら、この「誰に」を絞りこむことを、まだ「怖い」と思っている人も多いかもしれません。

　相手の絞り込みをしてしまったら、機会損失につながるのではないか？多くの人を取りこぼしてしまうのではないか？そんな心配をする人もいるかもしれません。しかし心配はいりません。むしろ逆です。絞れば絞るほどお客さんは集まってきます。
　私の家の近所での話です。実際にこんな看板を出している飲食店がありました。和風居酒屋のようなところだったのですが、看板に、「ご家族で、大勢で、カップルで、おひとりで・・・あらゆる場面で、お使いください」と、大きく書かれていました。
　でも、ちょっと想像してみてくださいね。あなたがもしカップルでお酒を飲みに行くとしたらどうでしょうか。看板にはたしかに「カップルで」と書いてあります。しかし、隣のテーブルが家族連れで小さな子供が走り回っていたり、あるいは隣のテーブルが大人数での会社の宴会だったりしたらどうですか？やっぱり、彼女や奥さんとデートに行くときは、周りもカップルや少人数グループの、静かなお店に行きたいと思うのではないでしょうか。
　逆に、小さな子供さんを連れているときは、カップルだらけのお店に入るのは気が引けてしまうものですよね。家族連れにも使ってほしい、カップルも呼びたい。でも、宴会もほしい。いやいや、一人の人も・・・と、いろんな人を囲い込みたいと思った結果、結局、誰にも振り向いてもらえないという、典型的な失敗例です。
　このお店は、住宅が多いバイパス沿いで立地は悪くなかったのですが、結局わずか３か月くらいで閉店してしまいました。このように多くの人に呼びかけようと思うと、結局、誰にも響かなくなってしまうのです。
　例えば私は、「トラック２０台以下の運送会社の荷主獲得を支援するコンサルタント」です。もしこれが、「物流業コンサルタント」や「中小企業の売上を上げる」だったら、あなたはこんなに熱心に読んでくれているでしょうか？あなたが付き合いたい荷主は、どんな人なのか、ぜひ絞り込んでみましょう。
全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表　高橋久美子
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