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ブログ・高橋 久美子
第84回:愛情いっぱいなのに使えない
2011年10月12日
先週は、お客様の声を集めるときに、「荷主と親しい会社は注意が必要だ」というお話をしました。あなたがもし、事例の吉田さんのように、「うちは、わりと荷主と親密に付き合っている方だぞ」と思っているとしたら、特に注意してほしいと思います。それでは、わかりやすいように飲食店の例でお話していきますね。
例えばあなたがよく通っているお気に入りの居酒屋があったとします。店主の顔もわかるし、ホール担当の女の子もあなたの名前までは知らなくても、「いつも来るお客さん」と認識しています。あなたはいわゆる「常連さん」です。実際に、そんなお店がある人は、想像してみてくださいね。
ある日、その店に入ったら、テーブルの上にアンケート用紙が置いてありました。そのアンケート用紙には、こんな風に書かれていました。「いつもご利用いただき、ありがとうございます。みなさまにとって、もっと居心地のよい店にするために、ぜひ、あなた様の意見をお聞かせください。お料理のこと、スタッフのこと、お店のこと、どんな事でもけっこうです。お気づきの点を、ぜひ、お書きください」
さて、あなたは、どんな気持ちになりますか?そして、どんな事を書きますか?きちんと、想像してみてくださいね。たいていの場合、そのお店のことが、好きであればあるほど、「よっしゃ!それじゃあ、この店のために協力してあげよう!」と思い、まずは、書こうと思います。そして・・・お店の中を、いっしょうけんめい見回し、必死で「改善点」を、見つけてあげようと、してしまうのです。その結果、アンケートの書きこみは、こんな感じになります。「値段も手ごろで、おいしいので、いつも利用させてもらっています。ただ少し、酒の種類が少ないかも。特に、日本酒は銘柄をもう少し揃えた方が、私たちの年代には喜ばれると思う。それに、もう少し喫煙席が多いほうが、お客が入るんじゃないかな。それから、金曜日と土曜日の営業時間をもっと伸ばしてもらえると便利です」
どうですか?このアンケート結果を読んで、どんな印象を受けますか?愛情いっぱいのこのアンケートは、果たして「お客様のよろこびの声」として活用できるでしょうか?解説は、次週に。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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