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ブログ・高橋 久美子
第146回:それは「カッコつけ費」です
2012年12月18日
トラック20台以下の運送会社にとって、事務所・倉庫・車庫などの地代家賃は、固定費の中でも、とても大きな割合を占めます。しかも毎月の固定費ですから、これらが数万円でも削減できれば、かなり経営が楽になるはずです。
ところが、「そうは言っても、移動するとなると、結構いろいろ大変だから…」と言い訳をして、ほとんどの人が移転をしようとしないどころか、探してみようとさえしません。安い物件があったとしても移動するのを拒みます。
あなたに嫌われるのを覚悟で、本当のことを言いましょう。その理由は、『カッコをつけているから』です。安い事務所や車庫に移って、「あの会社は家賃の安いところに移転した」と、同業者や社員に言われるのがイヤなのです。そう言われるのがカッコ悪いと思っているからです。
「高橋さん、別にカッコつけてるわけじゃないですよ。移転すると、やっぱり社員を不安にさせるし、周りからは売り上げがよくないのかなと思われて、信用もなくすと思うんです」と、言う人もいるかもしれません。でも、それって本当でしょうか?
あなたは、「売り上げが下がってきたので、まずは固定費を下げたんです」と言う社長がいたらどう思いますか? 売り上げが落ちたことを心配して、信用できなくなりますか? いま、中小運送会社の大部分は売り上げが落ちています。私なら、この人のことを、すぐに手を打つ信頼できる経営者だと思います。
支払いが滞ったら、信用をなくすとか社員を不安にさせるどころの話ではないのです。信用ではなく会社そのものをなくすのです。社員は不安になるどころか職を失うのです。「あの会社は家賃の安いところに移転した」なんて、言われたっていいじゃないですか。そう言う人たちは、本当は自分もそうしたいけど、感情が邪魔をして「カッコつけ費」を削れない人たちです。
もし、あなたが本当に売り上げに困っているのなら、今すぐ「カッコつけ費」を削って、家賃を下げる方法を考えてみて下さい。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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