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ブログ・高橋 久美子
第162回:インドで訪問販売をしました
2013年4月16日
11年の孤独の旅、インドで露天商をはじめた私は、あやうく逮捕されそうになりました。暴力的な警官に阻止され、路面に開いた店を閉めることになりました。しかし、10日以上滞在していた私には、既に『インド魂』が芽生えていました。このまま諦めて帰る気になれなかったのです。
そこで私は考えました。「路上で商売をすると、怒られてしまう。どうすればいいだろう?」。私と同じ商人のあなたは、もうわかったかもしれませんね。
「訪問販売をしよう!」。マーケットの雑貨屋に、持っている商品を売り歩いてみることにしたのです。しかし、マーケットの店舗は、ナイロンの屋根と骨組みだけでできていて、窓も扉もなくオープンです。ですから、お店の人たちは逮捕されそうになった私の騒動の一部始終を見ていました。私が近づくと、「買ってあげたいんだけど、ごめんね」という感じの顔で、苦笑いしながら首を横に振ります。
何軒もまわっているうちに、昔、運送会社時代に、一般家庭に「キムチ」を訪問販売して回ったことを思い出しました。営業に行った漬物工場で、「キムチを売ってくれたら、仕事をあげる」と言われ、1日100軒の家庭にキムチの訪問販売をしてまわりました。「あの時は大変だったけど、日本語が通じるだけ、まだ楽だったな」などと思いながら、10軒目の店に断られたとき、一人の男性が、私に声をかけてきました。
その男性は、3軒隣の店でバックなどの雑貨を販売していました。「もしかして、買ってくれるの?」、私はうれしくなってその人に聞きました。「うちのこの商品と交換だったらいいよ」。そう言って、カラフルな刺繍の入った布のバックを見せてくれました。
もちろん、私はその商談を快諾しました。「OK! 商談成立! ありがとう!」。私は、持っていた歯ブラシなどの雑貨を手渡し、そのバックを受け取りました。これが、私のインドでの小さなビジネス体験です。インド独特の埃っぽい臭いがするそのバックは、私の宝物になりました。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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