今週から「ゴッドファーザー型戦略」について話をしていきます。この戦略は、経営資源量が小さい中小企業が資金や時間を使わずに、確実に利益を増やしていける戦略です。
　映画「ゴッドファーザー」では、アメリカに住むイタリア系移民のドン・コルレオーネ（通称＝ゴッドファーザー）が、同じイタリア系移民のファミリーのもめごとや困りごとを解決してくれます。人間関係のこと、ビジネスのこと、法律のことなど、あらゆるジャンルの相談に乗ってくれます。

　ですからファミリーは、何か困った事が起きたとき、まずはゴッドファーザーに相談するのです。しかし、ゴッドファーザー自身が「解決できる能力」を持っているわけではありません。「解決できる人」を知っているのです。つまりは「つなげる役」「仲介業・紹介業」にあたります。
　「ゴッドファーザー型戦略」とは、簡単に言うと、あなたの営業エリアで、あなたがゴッドファーザーになることです。しかし、勘のいいあなたには次のような疑問がわくと思います。「そんなこと言っても知名度も地位もないのに、相談しようと思う人なんているのかな？」。もちろん、その通りです。
　通常は、市長さんをはじめ、あなたにお願いするよりも解決してくれそうな人がたくさんいるはずです。ですから、「なんでもかんでも相談してもらう」というわけではありません。ニッチな市場を開拓するのです。「○○地域の△△の問題は、どんなことでもあなたに相談すればいい」という位置づけを取るのです。
　重要なのは「○○地域」と「△△の問題」の絞り込みです。「○○地域」はあなたの営業エリアです。しかも、現在の営業エリアよりも狭い範囲に絞ります。「△△の問題」というのはターゲット層です。ターゲットもできるだけ絞り込みます。例えば、「飯田市の女性起業家」「亀田村の７０歳以上の単身世帯」といった具合です。
　この絞り込み方ですが、「儲かりそうだから」などという理由では絶対にうまくいきません。来週は、この絞り込みについてもう少し詳しくお話していきます。