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ブログ・高橋 久美子
第215回:公開してほしい情報第1位は
2014年4月21日
これからの時代に、我々中小運送会社が生き残るためのキーワードの一つ目、「公開する」について一緒に考えていきましょう。先週は、医者や寿司屋など異業種で公開してほしいことについて考えてみました。「価格」「院長の顔写真」「ネタの産地」など、自分がお客の立場で考えると、さまざまなことを公開してほしいと思います。
それでは、我々運送業の場合は何を公開すれば、お客の不安を消してあげることができるでしょうか。
「どんなドライバーさんが来てくれるのか、スタッフの顔が分かると、すごく安心」「社長の顔が出ていると安心できる」「会社の理念」「どんな会社と取引しているのか」「取引先の声などが公開されていると安心できる」「どんなトラックが来てくれるか知りたい。うちの納品先はホテルなので、きれいなトラックでないと困る」「取得している認可や認証」「過去の実績」「運賃」など、少し考えてみたら、いろんなことが出てきますね。
この中でも、お客が公開してほしい情報のダントツの第1位は、やはり「運賃」です。ところが、これを見たとたん、あなたの心の中に反論が浮かんだのではないでしょうか。「いや、そうはいっても運賃を公開するのはちょっと…」「公開したら、ライバルにも見られちゃうわけでしょ」「うちの場合、便によって細かく運賃設定が違うんだから、公開って言われても…」
今まで、お客の恐怖を考えてきましたが、いざ公開するとなると、今度はあなたの心に恐怖が浮かんできたわけです。「確かに、寿司屋だったら、価格が明記されていないと怖くて入れない。それは分かるけど、寿司屋と運送業を同じにされても…」。そう思うのも無理もありません。我々運送業界では、今までの時代は「公開しないこと」こそが、常識だったのですから。
「お客側も恐怖」を感じていて、「提供者側も恐怖」を感じているわけです。だったら、先にリスクを負ってあげるのが、我々提供者側の務めです。既に、そのことを理解できた運送会社は、運賃の公開を始めています。そして、お客(荷主)は、先にリスクを負ってくれたその会社に殺到しているのです。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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