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ブログ・高橋 久美子
第225回:「人から人へ」手渡しの価値
2014年6月30日
先日、「インターネット小売り最大手の米アマゾン・ドット・コムは、小型の無人ヘリコプターを利用して商品を配送する計画を明らかにした」というニュースが話題になりました。アマゾンが扱う商品の86%が対象で、2015年の実用化を目指しているそうです。物流センターから約16km以内に住む利用者には、注文から30分以内に商品を届けるのが目標で、トラックによる配送よりも、環境にもやさしいというメリットもあるようです。さて、物流業界に携わるあなたは、このニュースをどのようにご覧になりましたか?
今後、法規制が整えば無人トラックや無人ヘリコプターなど、無人での配送が加速していきます。それでは、我々の業界はどうなっていくのでしょうか? ドライバーはいらなくなるのでしょうか? そして、中小運送会社は、どんな未来を見据えて経営をしていくべきなのでしょうか? 「今後、無人配送へシフトしていく」というときに、中小運送会社がすべきこと、それはズバリ「ドライバーの人的教育」です。「無人に移行していくのなら、それって無意味じゃないの?」と、疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし、時代の先を行き、確実に生き残るためには、そのまた「逆」を考えるのが正解です。無人に移行すればするほど、「人」、つまり「手渡し」の価値が高くなります。
たとえば、日本人はその昔、誰もが着物を着ていました。しかし、誰もが洋服を着るようになった現代では、着物の価値が高くなりました。また、パソコンで作成し、プリントした文書が主流となった現代では、手書きの文字にこそ、価値があります。
つまり今後、「無人配送」へシフトして行けば行くほど「人から人へ、ドライバーの手渡し」の価値が高くなるわけです。もちろん、その「価値」を感じられるような応対、接客が求められることは言うまでもありません。
ライバルが「無人」への移行のニュースを悲観している間に、あなたは、どっしり構えて、どこにも負けない人間力を持ったドライバーを育ててくださいね。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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