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ブログ・高橋 久美子
第309回:2016年以降の業界予測と運送会社がとるべき戦略とは
2016年2月8日
今週から数回にわけて、トラック20台以下の運送会社がとるべき戦略を、2016年からの業界予測を交えてお話ししていきたいと思います。
一口に「運送業界」と言っても、大手が見ている現実とトラック20台以下の運送会社で現実に起こっていることは、かなり乖離しています。ここではトラック20台以下の運送会社の現実に絞って、話を進めていきます。
あなたは、これからトラック運賃は上がると思いますか? それとも、下がると思いますか?
残念ながら、今後15年間はトラック運賃が上がることはありません。改めて説明するまでもないのですが、すべての物の価格は需要と供給のバランスで決まります。需要に対して供給が少なければ価格が上がり、反対に、需要に対して供給過多の場合は価格が下がります。
トラックの運賃も同じです。荷物の量に対して、トラックが少なければ運賃が上がり、荷物の量に対してトラックが余っていたら運賃は下がります。
つまり、荷物が増えるか、またはトラックが減らなければ運賃が上がることはありません。しかし、この20年、輸送量は減少を続けています。実は輸送量データだけを見ると、2015年だけは、わずかながら増えています。だが、これは、何の数字かというと、「インターネット通販の増加」による上昇です。つまり、宅配です。個人宅に届ける宅配荷物の輸送量だけが、かなりの勢いで、ここ数年、増加傾向にあります。
しかし、宅配が増えても、トラック輸送が潤うわけではありません。今までトラック輸送を支えてきた、国内の製造業の輸送量が増えなければ、トラック運賃の上昇に結びつかないのです。それでは、製造業の国内輸送量は今後、増えていくのでしょうか。
あなたの周りを見回してもらえばわかるように、国内の工場は軒並み、縮小・閉鎖しています。「日本のモノづくりは、どの国よりも優れている」「モノづくりニッポンを再び!」と、声高に叫んでみたところで、今後、高度成長期のような製造工場の復活は100%ありえません。来週は、その理由についてお話しします。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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