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ブログ・高橋 久美子
第370回:ここが会社の未来への分岐点
2017年5月29日
トラック20台以下の運送会社の経営者が「経済的自由、精神的自由、そして、時間の自由」の三つの自由を手に入れるための五つのステップについて話を続けます。
1、売り上げを上げる
2、利益率を上げて現金を増やす
実は、ここまでのステップはさほど難しくありません。全国のたくさんの実践メンバーが証明してくれているように、ノウハウを実践しさえすれば、売り上げを上げて現金を増やすところまでは可能です。しかし、本当の問題は、この次の段階です。
ステップ3ですることは次のとおりです。
3、所帯を小さく・固定費を減らす・借金を減らす
この「ステップ3」は非常に重要です。せっかく売り上げを上げて現金を作っても、ここで間違えてしまう人がいます。ここが会社の未来への分岐点と言っても過言ではありません。多くの人は、売り上げが上がった後に、「ステップ3」の逆のことをしようとしてしまいます。つまり、所帯を小さくするのではなく、逆に大きくしようとしてしまうのです。
新たな借り入れを起こしてトラックを増車し、そして、ドライバーも増員してしまいます。または、事務所を大きくしたり、固定給を上げてしまう人もいます。
なぜ、多くの人が、これをしてしまうのでしょうか。それは、自分の感情が満たされるからです。といっても、短期的に、ですが。
いつもお伝えしていることですが、運送業は外的要因に左右されやすい業種です。軽油価格やら荷主の経営状態、日本全体の経済状況などの変化をダイレクトに受ける業種です。ですから、ここで所帯を大きくして固定費を増やしてしまうと、この外的要因や条件が悪化したときに、大変なことになってしまうわけです。
以前よりずっと経営状況を苦しくすることになる可能性が高いです。オリンピックは2020年に確実に終わり、人材不足も数年後には一気に人余りに一変します。一時的に余裕があるような気がしても、ここで長期を見据えないと誤った判断をしてしまいます。
重要なことなので繰り返します。ステップ1と2で売り上げを上げて現金を増やしたら、ステップ3では所帯を小さくして、固定費を減らし、借金も減らします。余裕がある時にこそ、これを実行して下さい。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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