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    経営再生物語(333)小集団活動のすすめ方(2)A社の事例1

    2021年5月3日

     
     
     

    働いている一人ひとりの気持ちを前向きに高めていくうえで、コミュニケーションは大切である。職場の風通しを良くしなければならない。風通しを良くしていくうえで、小集団活動は大きな力を発揮する。

     

    小集団活動の効果としてまず一つには、一人ひとりを大切にする社風が生まれる。一人ひとりの自由な発言、行動の確保を通じて運動は進むからである。

    2番目としては、問題解決のプロセスが実践を通じて学習できる。テーマを設定する→目標を決める→現状を把握する→問題点を発見する→原因を追究する→対策を立案し実行する→効果を確認する→歯止めをする→活動の反省点をまとめる。こうしたプロセスを経験するなかで、問題解決手段の合理化を学べる。

    3番目として確実コミュニケーションを通してやる気が高まる。活動で相互信頼が深まり、職場の改善に対する動機づけが促進される。

    4番目として、人材育成に役立つ。活動の中で、能力が育成される。人が育つ土壌づくりが小集団活動なのだ。

    おおまかにいって以上のような効果が確実に期待できる。

    食品スーパーマーケットA社の事例

    小集団活動の事例として、食品スーパーマーケットA社を紹介する。全従業員が自分の仕事について経営者的感覚で取り組む企業風土を目指して小集団活動を開始した。中心となったのは生鮮加工センターの「サークル進め方研究会」である。

    A社は社員60名、パート及びアルバイト140名の総勢200名である。「サークル進め方研究会」は次の手順で活動を勧めた。

    まず、今回の小集団活動の全社テーマを「改善提案の件数向上」とした。いままでは提案件数は年間で150件ぐらいで、今回は10倍の1500件を目標とした。

    その為に活動の推進員を職場ごとにキメ細かく配置していった。推進員は、小集団活動の応援団のような役割である。推進員に対して「サークル進め方研究会」は、各小集団活動のミーティングに参加するよう求めた。

    サークルの数は全社で30サークル、従って推進員も30名である。ミーティングを定例化しキッチリ行ううえで、推進員の果たす役割は大きい。

         (つづく)

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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