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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(389)計画はなぜ必要か―3
2022年8月29日
じっくりと自社の経営実態の姿を直視することから経営改善計画づくりはスタートする。
経営資本回転率の平均は1・8回転である。一年間に経営資本の1・8倍の売り上げがある。回転率が高ければ高いほど経営資本の効率がいい。
反対に一回転以下とは体重が重くて「大男、総身に知恵が回りかね」で、一種の肥満症である。肥満は万病のもとで、経営内容は深刻である。
売上高対営業利益率の平均は4%である。売上高100に対して4の営業利益ということである。中小運送業の損益計算書のモデルは次の通りである。(表②)
すなわち総利益25%から販売・管理費21%を引いた分の4%が営業利益である。
それぞれの会社で総利益に占める人件費の割合が、50%以上であれば同業平均と比して人件費コストが高い。
第一ステップとして経営分析計算表を作成することで自社の現状を正しく把握することができる。現状分析を出発点として以下のプロセスで経営改善計画の作成が進む。
現状分析を踏まえて、自社の戦略を設定し、基本経営目標を確定し、それを実現するための基本方針を樹立する。この内容を〝ビジョンをはっきりする〟と題して次回展開する。
ついで〝現実を直視する〟というプロセスに進む。すなわち、基本経営目標、中間ビジョンと現実とのギャップを認識し、いかにして経営体質を鍛えていくか、深く分析していく。
そして〝実行方法を決定する〟というテーマで具体的な実行政策を立案し、個別計画を作成する。
さらに〝数字の裏付けを持つ〟と題して利益計画を確立し、次いで〝全社員の気持ちをひとつにする〟とのテーマで実行スケジュールを決定する。経営改善計画の発表大会の行い方について説明する。
以上が経営改善計画の立て方のステップである。経営改善計画はなぜ必要か、それは企業の存続と成長のためのバイブルであるからだ。
やる気のある社員集団を作り、同一の経営目標に向かって全員が精一杯の能力を発揮する起爆剤として、経営改善計画は必要である。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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