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  • ブログ・川﨑 依邦

    労働審判・全面勝利体験報告(40)ドライバー気質を転換するために

    2011年4月22日

     
     
     

     4 相手方における給料について説明します。

     従業員のうち、運転者については基本給が10万円前後とされ、そのほか売り上げに連動した業績給と時間外労働等に対する割増賃金が支払われていました。その合計額は、概ね平均すると総支給月額30万─35万円前後です。

     年収がもっとも多いドライバーについては、時間外労働が相当存在するものでしたが、日給月給制度であるため、出勤日数や売り上げによって、20万円台に落ち込むときもあって、不安定で、かつ賞与の額も多くて15万円でした。そして、運転者で最も労働時間が長く、売り上げが多く、年収が高いもので約473万円であり、それ以外の運転者では多くて年収400万円強程度でした。

     これに対して、申立人が管理・監督者に従事していた際の年収は約543万円であり、他の運転者よりも15%から25%程度高額であり、また、運転者は日給月給制度であるのに対して申立人は月給制のため、1日当たりの単価で計算すると25%から37%程度、申立人の方が高額な賃金を得ていました。

     申立人が運転者職のときの年収は約408万円であり、配車リーダーという管理職就任に伴い、年収で約135万円、33%もの昇給がなされています。また、同じ管理・監督者である社長の私の月収が60万円、川?常務が60万円と、取締役であることから申立人よりも多いとはいえ、その分、取締役には賞与がほとんど支給されていません。

     また、同じく管理・監督者である部長は月収42万円強と、申立人の賃金との差はほとんどありません。(陳述書より)

       ◇   ◇

     申立人の給料を下げようとしていたわけではない。むしろ営業面を強化して、さらに力を発揮していくことを期待していた。にもかかわらず、拒否して自ら退職していった。何故だろうか。

     一般的にドライバー気質といったものがある。ハンドルを握って会社を出れば自分のペース。人にあれこれ言われることもないし、人と喋る必要もない。いわゆる一匹狼である。一言で言えば、慣れると気楽なものである。転職しても他の職業に就くこともない。どこかでドライバーをする。

     こうしたドライバー気質を転換するために人事異動をし、能力をアップさせようとした。ところが申立人は給料をダウンさせられていないのに拒否した。給料は好待遇である。それにもかかわらず自ら辞めていったのに、あべこべに無理矢理辞めさせられたと訴えてきた。人間とは不思議なものである。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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