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  • ブログ・川﨑 依邦

    一人でも入れる労働組合がやってきた(3)このままではつぶれる

    2011年7月1日

     
     
     

     不当労働行為とは何のことかと、頭を抱えるA社長。A社長の頭をかすめたことは次の通りである。「俺の情けを足蹴にした○○、○○、○○は即クビ」「いつもクレームの多い○○と、60歳を超えている○○も即クビ」。



     ところが即クビにすることは法律に反し、不当労働行為であると読み取れる。どうしたらいいだろうか。「倒産」の2文字が頭をかすめる。知り合いの運送会社の社長が自殺したことが蘇ってくる。「このままではつぶれる」。

     団体交渉の申入書は次の通りである。

     「『団体交渉申入書』は5日後に団体交渉を開く旨、申し入れている。場所は○○分会の上部団体の組合事務所である。要求事項は『?分会に分会事務所と掲示板を貸与すること?組合員に影響を与える問題(身分、賃金、労働条件などの変更)については、会社は事前に組合と協議すること?会社は組合活動については就業時間内であってもこれを認め、平均賃金を保証すること』とある」

     5日後とは急な話である。そもそも団体交渉とはどんなものであろうか。A社長の職業人生において、まるっきり経験したことのない事態である。噂では「労働組合ができたら、その会社はつぶれる」と、よく同業者の会合で聞いている。しかも、労働組合の組合事務所に来るように言っている。

     A社には会議室はない。従って、団体交渉をするとしたら、どこか会場を借りるしかない。わざわざ組合事務所に行くのも嫌である。どうしたらいいであろうか。A社長の奥さんは青ざめている。「怖い怖い」と震えている。

     どうしてこういうことになったのであろうか。A社長は思いをめぐらす。自分なりに社員を可愛がってきた。「我が社に来る社員は一言で言って、ドライバーで飯を食うしかない者ばかりだ。ネクタイを締めたりする職業には向かない者ばかりである」。A社長の言葉である。金がないと言えば前借りもしてやったし、飯を食べていないと言えば食べさせてきた。「なぜ俺に刃向かうのか」。いくら頭をひねっても分からない。

     A社は家族経営である。社長というよりは、親父でやってきた。日本国憲法第28条、労働組合法第7条と文言が並んでいても、どうにもピンとこない。

     「一生懸命働いてきたのに、どうしてこんなことになるのか。こんなことなら運送会社を辞めようか」と落ち込むA社長。寝れぬ日々が続くこととなる。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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