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  • ブログ・川﨑 依邦

    一人でも入れる労働組合がやってきた(9)労組結成の原因

    2011年8月19日

     
     
     

     A社に1人でも入れる労働組合が結成された原因はどこにあるのか。確かにA社長は、ここのところ、ドライバーと親しく声を掛け合うことも少なくなっていた。



     その上、配車担当者A氏とドライバーの間もギクシャクしていた。「俺の言うことが聞けないなら、いつでも辞めろ」とA氏は強圧的にドライバーに接していた。直接的なきっかけは「アレだ」とA社長は思いつく。「アレ」とは、今回の1人でも入れる労働組合を結成した、うちの分会長Bドライバーのことである。

     Bドライバーは過去に交通事故を起こしており、ペナルティとして10万円を個人負担させたことがあったのだが、その際、A氏がBドライバーとやりあったのである。

     「会社の損害額は100万円だが、10万円の個人負担とする。今月の給料から引くぞ」(A氏)

     「待って下さい。給料から10万円も引かれると生活できませんよ」(Bドライバー)

     「会社の決まりだよ。それこそサラ金にでも借りて10万円持ってこい」(A氏)

     「そんな無茶な。僕にも僕の考えがあります。給料から10万円も引くなんて法律違反ですよ。出るところに出ますよ」(Bドライバー)

     「何だと。ふざけたことを言うな。会社のルールはルールだ。出るところに出るんだったら勝手にしろ」(A氏)

     かくしてBドライバーは実際に出るところ=「1人でも入れる労働組合」を結成したわけである。A社長は、A氏からBドライバーとのやりとりを聞いて「ちょっとやり過ぎかな」という思いが一瞬頭をかすめた。「給料から一度に10万円を引くより、分割で引く方法もあった。サラ金から10万円借りてこいとは言い過ぎではないか」。

     A社長はA氏に諭す。 「もう少しBドライバーの立場になってみろよ」

     「社長、甘いですよ。この際、Bにはガツンと言っておくことですよ。Bは入社して1年ばかりですが、ちょこちょこミスが目立ちます。その上、口が過ぎるというか文句が多い。ガツンとやってやりましたよ」

     「アレだ」と思い当たったのは、Bドライバーの交通事故の処分の件である。1か月も経たないうちに1人でも入れる労働組合ができたわけである。確かに6か月前、経営不振で給料の一律10%カットを実施したことも遠因ではある。給料が10%も下がってしまうのに、その上10万円のペナルティを科され、Bドライバーは「なんとかしてくれ」と、1人でも入れる労働組合に駆け込んだのである。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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