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  • ブログ・川﨑 依邦

    一人でも入れる労働組合がやってきた(32)全責任は「私が担っている」

    2012年2月10日

     
     
     

     上部団体の大物氏と水面下交渉すべきか否か。A社長はこちらからは取引を持ちかけないことにした。理由は次の通りだ。



    ?中小企業の経営実態を無視している

     上部団体の公式見解は中小企業にとっては受け入れがたい。「1円たりとも賃金は下げさせない」「賃金は年功のみでアップし、公平・平等であること」、更に「年収700万円を勝ち取り、退職金は1000万円」となると無理の一言である。中小企業の経営者はいわゆる労働者(労働組合員)の日々と比してストレスが溜まる。A社長の場合、1日24時間携帯電話は手放せない。深夜でも事故が起こると第一報が入ってくるからだ。

     荷主は「運送屋の代わりはいつでも見つかる」と無理難題を押し付けてくる。気の休まるところがない。しかも自らの報酬はピーク時から半減している。運送収入が低迷し燃料費のコストがアップしているからだ。労働者は労働基準法で守られている。中小企業の経営者を守る法律は、ない。

     ?経営権は労働組合にはない
     経営の全責任は「私が担っている」。A社長の覚悟である。会社が倒産するとA社長は自己破産する。銀行借入金はA社長が連帯保証人になっている。労働組合には経営の責任はない。今回の争点は再雇用制度による評価制度である。労働組合の主張する通り、評価そのものを処遇に結び付けることにノーとするとは一体何か。A社長にしてみれば、経営を投げ出すに等しい。会社は荷主に評価されなければ仕事を失う。仕事は労働者が現場の第一線で奮闘している。評価がノーとは一体どういうことか。
     もし荷主がA社の評価が低いという理由で仕事を切るとどうなる。「それは荷主の評価のやり方が悪い」となるのか。現場の仕事ぶりを評価して処遇に結び付けるのは当たり前ではないか。評価をすることなく公平に扱って、もし仕事を減らされたらどうする。仕事を減らすのは社会が悪いということなのか。社会が悪いのではなく我々の仕事ぶりが悪い。荷主に評価される運送会社を目指すことは当たり前のこと。経営の全責任は「私が担っている」。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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