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  • ブログ・川﨑 依邦

    一人でも入れる労働組合がやってきた(42)経営数字を把握する

    2012年4月20日

     
     
     

     ?収益力の向上??「入るを計って出ずるを制す」



     A社の収益力(儲ける力)は低迷している。3期間(3年間)赤字続きである。一人でも入れる労働組合ができた一因も収益力の悪化にある。ドライバーの賃金もアップすることができない。むしろ賃金カットでしのいできているため、ドライバーの不満も高まっている。時間外手当の未払いということで労働組合という火がついたわけである。儲ける力さえあれば、ドライバーの給料も十分アップすることができる。そうすればドライバーの不満も和らぐ。

     なぜ3期間も赤字を垂れ流しているのか。A社の問題点は次の通りである。

     ?経営数字の把握力が弱い
     月末で締めて、この月はいくら利益が出ているか、5日以内に試算表の作成ができていない。全て税理士任せである。試算表を税理士が作成するのは月末で締めて早くても1か月後くらいである。A社長もチラっと税理士が作成した試算表に目を通すのみ。赤字の原因を深く分析することもない。赤字の数字に不感症になっている。

     A社長の関心の中心は売り上げである。売り上げが前月と比してどうだったかについては気にする。ところが利益にまでは頭が回っていない。「入るを計って出ずるを制す」という姿勢が不十分である。経営数字の把握力を高めるにはどうするか、月次試算表を締めて5日以内に作成するにはどうするか。

     ◇日々収支体制を確立する。
     1日の売り上げがいくらあって、人件費、燃料費等の経費がいくらあったかを毎日掴むことである。そのためには配車担当者の意識を変えなければならない。単に車を動かしさえすればいいというレベルから、?経営配車?へと頭を切り替えることである。?経営配車?とは、配車担当者が売り上げ(運賃)を掴む。つまり経費をチェックできるようにすることである。そのためには配車担当者の日報を充実することである。日報によって日々収支を確認していく体制を作ること=日々収支体制の確立である。

     日々の収支をスピーディに掴むことができれば、月次試算表は締めて5日以内に作成することができる。経営数字の把握力が高まれば、打つ手が速やかにでき、赤字原因を深く分析することができる。A社長としても対策が速やかに打てる。「苦しいなあ。儲からないなあ」と嘆いていた歴史から転換することである。

     ?働けど働けどわが暮らし楽にならざりじっと手を見る「石川啄木」?。手は経営数字のことである。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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